人工物の再突入
人が上げた光
流星に似ていますが、数十秒も流れ続けます。役目を終えた衛星やロケットの上段が大気に落ち、自分が燃えて光るためです。
何が起きているか
軌道を回っていた人工物が大気に落ち、空力加熱で燃えながら発光する現象です。高度およそ80kmから100kmの空気へ秒速数kmで突っ込むと、圧縮された空気が高温になり、機体は分解して破片になります。自分が燃えて光るところが、太陽光の反射に頼る国際宇宙ステーションの通過との決定的な違いです。落ちてくるのは古い衛星やロケットの上段です。
いつ、どちらの空か
ほとんどの場合、事前には分かりません。補給船の廃棄のように制御して落とす再突入は時刻と海域が計画されますが、それ以外は大気の状態で落下の時刻がずれ、直前まで数時間の幅が残ります。反射で光る人工衛星と違い、薄明の前後に縛られませんので、真夜中でも起こります。方角も決まっておらず、たまたま空を見ていた人が出会います。
目にはどう見えるか
数十秒かけて、ゆっくり流れます。いくつもの破片が間隔を保ったまま、隊列のように進むのが特徴で、橙色に明滅しながら数を増やすこともあります。流星は1秒足らずで消えるので、続く長さで分けられます。種子島などからの打ち上げ直後に見える光跡は、下から上へ伸びて雲を引くため、これも別のものです。
見のがす条件
予報が無いので、空を見ていなければ終わります。数十秒は流星より長いとはいえ、見上げた向きが違えば通り過ぎます。制御されない再突入の落下点は広い帯にしか絞れず、その帯が海や無人の地域に来る回も多くあります。曇りや光害で暗い破片は消え、火球ほど明るい再突入でなければ市街地では気づけません。
どのくらいの間隔で起きるか
地球を回る人工物は日々落ちており、欧州宇宙機関の宇宙環境報告は追跡されている物体の再突入を1日に数個と数えています。ただしその大半は海の上か昼の空で、特定の場所の夜空で見えるのは数年に一度あるかどうかです。衛星群の運用が増えたぶん落ちてくる数も増え、目撃の報告は以前より多くなっています。