黄道光

空そのものが光る

太陽が沈んだあと、黄道に沿って淡い三角の光が立ちます。惑星間の塵が太陽の光を散らしたもので、空の暗い場所でなければ端から見えません。

何が起きているか

惑星間空間に漂う塵が、太陽の光を散乱して見える光です。日本天文学会の「天文学辞典」は、彗星が放出した物質や小惑星どうしの衝突で生まれた塵による散乱と説明しています。塵は太陽系の平面に沿って広がっているため、光も黄道に沿った帯の形になります。太陽の正反対の方向がわずかに明るくなる対日照も、同じ塵が返している光です。

いつ、どちらの空か

春の夕方の西の空と、秋の明け方の東の空です。この時期は黄道が地平線に対して立ち上がるので、塵の帯が低空の霞から抜け出します。薄明が終わるまでは見分けられません。太陽が地平線の下18度まで沈んで空が暗くなりきってから、西に残る光が薄明でないと確かめる順序になります。夕方の西と明け方の東で、季節が入れ替わります。

目にはどう見えるか

底を地平線に置いた、細長い三角形の淡い光です。中心の明るさは天の川と同じくらいか、それより淡く、色は白く、目には灰色がかって映ります。上へ行くほど細く暗くなり、どこで終わるかの境目ははっきりしません。正面から見つめるより、少し視線を外したほうが浮き上がります。輪郭を探すのではなく、空の明るさの傾きとして眺めるものです。

見のがす条件

街明かりの残る空では、端から見えません。地平線近くの光の帯は都市の照り返しと重なるので、光害のある場所では区別がつかなくなります。月明かりがあれば消え、月の無い夜に限られます。目が暗さに慣れる20分ほどを待たずに見上げても分からず、その途中で明るい画面を見れば暗順応は振り出しに戻ります。地平線まで見通せない場所では三角の底が隠れ、傾いた帯かどうかを読めません。薄い雲や低空の湿気も、同じくらい効きます。

どのくらいの間隔で起きるか

年に二度、数週間ずつの窓が開きます。春の夕方と秋の明け方に黄道が立つ時期で、そのうえで月明かりの無い、新月をはさむ一週間ほどに限られます。月が満ち欠けを一巡りする間に、その一週間は一度しか回ってきません。差し引くと各季節に数日しか残らず、その数日が晴れるかどうかで一年の機会が決まります。二つの窓は半年離れているため、春を逃せば次は秋の、しかも明け方になります。緯度が高いほど黄道は寝てしまい、条件は悪くなります。