部分月食

食と掩蔽

月の一部だけが本影に入る食で、見どころは色ではなく形です。欠け際に落ちた地球の影の丸い縁を、道具なしでそのままたどることができます。

何が起きているか

月の一部だけが地球の本影に入り、残りは欠けずに明るいままの食です。本影は太陽の光が地球にすべて遮られる影、半影は光の一部だけが遮られる薄い影で、国立天文台「月食」はこの二つを分けて説明しています。月が本影のへりをかすめて通るため欠ける量は食ごとに違い、わずかに欠ける食から皆既月食に近いものまで幅があります。

いつ、どちらの空か

満月の夜に起き、月が空に出ている地域なら同じ時刻に同じ形が見えます。欠け始めから終わりまでは2時間前後で、最も深く欠けるのは真ん中の短い時間です。方角はその夜の月の位置しだいで、宵の東から明け方の西まで、どのあたりで進むかは食ごとに変わります。月の出が食の途中になる地域では、すでに欠けた月が昇ってきます。

目にはどう見えるか

見どころは色ではなく、欠け際に落ちる地球の影の丸い縁です。月の欠け際の線は太陽の光の当たり方で決まる楕円ですが、食の縁は影そのものの円弧で、月面より大きな円の一部としてたどれます。欠けた部分は真っ暗にはならず、暗順応が進んだ目で見ると赤黒い色が残っているのが分かります。写真ほど赤くは出ません。

見のがす条件

半影だけに入る半影食は、肉眼では欠けているかどうか判別しにくい食です。月面のふちがわずかに暗くなるだけで、写真で比べてようやく差が分かります。本影に入る食でも、欠ける量が小さければ満月との違いを見分けにくく、低い空で進めば大気減光がその差をさらに消します。曇りに加えて、この見分けにくさが見のがす理由になります。

どのくらいの間隔で起きるか

満月のたびに食にならないのは、月の通り道が太陽の通り道に対しておよそ5度傾いているためです。満月が二つの道の交点の近くに来た回だけ月が影のそばを通り、その通り方が浅ければ部分の食にとどまります。地球全体では年に1回から3回ほどの頻度で、皆既月食より当たる回数は多いものの、その時間にその場所が夜であることが条件になります。