おにぎり図鑑
三角に握る(握り方)
片手を山形にして飯を受け、もう一方の手のひらで上から押さえ、角ができるたびに三分の一ずつ回して持ち替えると三方向に角が出ます。角が決まると焼き海苔の一辺を底面に合わせやすく、弁当箱に立てて並べたときに平らな面どうしが接して隙間が残りません。角が甘いと海苔の辺がずれ、詰めたときに面が接しません。…
俵に握る(握り方)
両方の手のひらで挟んで転がし、円柱に整える形です。断面が丸いので、海苔を帯状に切って胴へ一周巻けます。表面に胡麻や粉をまぶすと全面へ均一に付き、弁当箱や折詰では向きをそろえて隙間なく並べられます。巻いた海苔の合わせ目を下にすると持ったときにほどけません。角が無いぶん、押しても欠ける場所がありません。…
丸く握る(握り方)
手のひらの上で転がすように整える形で、角を合わせる手順が無いぶん形が決まるまでの手数が少なく済みます。同じ体積なら球の表面積が最も小さくなるため、外気に触れる面は三角や俵より小さくなります。持ち替えて角を作る動作が要らないので、手の小さい人でも形にしやすい握り方として紹介されています。…
握る強さ(握り方)
押す力の強さという条件で、飯粒のあいだに残る空隙の量がこれで変わります。強いほど粒がつぶれて密になり、弱いほど粒の形が残って崩れやすくなるという向きは手順書のあいだで一致していますが、力を数値で示した資料は見つかっていません。何回握るかという回数の作法も、同じ扱いになります。…
手水(握り方)
握る前に手のひらを水で濡らす手順で、飯粒が手に付いて残るのを抑えます。濡らさずに握ると粒が指へ取られて形がやせ、逆に濡らしすぎると表面に水が回ってべたついた層ができます。手塩に続けて行う一続きの操作なので、水と塩をどの順で付けるかも手順の一部になります。付ける水の量が変われば、握り上がりの表面も変わります。…
ラップで握る(握り方)
ラップ越しに握って、手指を飯に触れさせない方法です。黄色ブドウ球菌は健康な人の手指や鼻の中、傷や化膿した部分にもいるとされ、おにぎりは代表的な原因食品として自治体や食品衛生の資料に挙げられています。使い捨ての手袋も同じ目的の手順として並べて案内されており、手に傷があるときは素手で握らないという注意も添えられます。…
手塩(塩と海苔)
濡らした手のひらに塩を広げてから握る付け方で、塩が飯の表面に集まります。飯へ混ぜ込む付け方では全体が薄く均一になるのに対し、手塩では噛んだ最初に塩が来るという、口に入る順序の違いになります。手水に続けて行う一続きの手順として説明されるのが普通です。同じ量を使っても、塩がどこにあるかが変わるということです。…
塩の量(塩と海苔)
1個あたりに使う塩の量という条件です。手順書では「ひとつまみ」「少々」と書かれることが多く、そのままでは量が読めません。飯の重さに対する割合へ直すと飯100gあたり何gという同じ物差しに載り、書き手の違う手順どうしを並べて比べられるようになります。1個の飯の重さも手順書によって違うので、そこもそろえる必要があります。…
焼き海苔(塩と海苔)
乾海苔を焼いたもので、味付けをしていない海苔を指します。乾海苔、焼き海苔、味付け海苔という加工の段階の真ん中にあたり、おにぎりに巻く海苔として広く使われています。焼くことで色が黒みを帯び、噛み切りやすくなるとされ、調味液を含まないぶん塩の量を飯の側だけで決められます。味付け海苔は調味液を塗って乾かしたもので…
巻きたての海苔(塩と海苔)
握ってすぐ海苔を巻き、海苔が飯の水分を吸う前の状態で食べる巻き方です。時間が経つほど海苔は水分を吸ってしんなりし、ぱりっとした歯ざわりが失われる代わりに噛み切りやすくなります。どちらを取るかで、巻く時刻を握った直後にするか食べる直前にするかが決まる、という関係になります。巻きたてを選ぶなら…
塩むすび(塩と海苔)
具を入れないので、変わるのは米と水加減、塩の量、それに握る強さだけです。具の水分も具の塩分も入らないため条件が絞られ、炊き方や品種を比べたいときの基準点として使えます。海苔を巻く形と巻かない形の両方があり、巻けば海苔の吸水がもう一つの条件として加わります。比べる目的で握るなら、塩まで同じにそろえるのが前提です。…
梅干し(具)
梅を塩に漬けた具で、塩分と有機酸が具の側に集まっています。飯に触れている面から塩と酸が移るため、まず変わるのは接触面とその周りの味です。弁当が傷まなくなるという言い伝えは広く知られていますが、それがどこまで及ぶのかは常温で持ち歩く時間と気温と合わせて見るものです。酸と塩が及ぶ範囲を、おにぎり全体に広げて語らないことが…
塩鮭(具)
鮭を塩蔵し、焼いてほぐした具です。塩分と加熱がすでに具の側にあるため、生のまま入れる具とは扱いが変わります。甘塩と辛塩で塩分が違うので、飯側に振る塩の量と合わせて見ることになります。焼いてから冷まし、骨を外してほぐしてから包みます。切り身のままでは骨が残り、熱いままでは水滴が出ます。骨は指で探すよりも…
おかか(具)
削り節に醤油を合わせた具です。削り節は乾いているので、他の具と逆に飯から水分を吸います。握ってからの時間が長いほど接触面の飯は締まり、削り節の側はしっとりします。飯に混ぜ込む形と中に入れる形の二通りがあり、前者は接触面が飯全体に散り、後者は一か所に集まるため、水分の移り方は違います。醤油の量によっては…
昆布の佃煮(具)
昆布を醤油と砂糖で煮詰めた具です。煮詰めるほど水分が減り、糖と塩の濃度が上がるという作り方をしているため、他の具より日持ちする形になっています。汁気があるまま入れると飯へ移るので、切ってから包みます。量が多いと接触面が広がり、その面で飯どうしがつながらず、まとまりにくくなります。佃煮の水分は商品ごとに違うので…
ツナマヨ(具)
油漬けのまぐろとマヨネーズを合わせた具です。油分も水分も多いため、飯への染み方と、置ける時間の条件を他の具より細かく見ることになります。油を切る量で接触面の広がりが変わり、ラップで握るかどうかでも飯側への移り方が変わります。条件の数が多いので、比べるときは一つずつ動かすことになります。具の温度も、そこに数える一つです。
アルミホイルで包む(持ち歩き・保存)
アルミ箔で包む方法です。光も空気も通さず、飯に密着せず、中身が見えません。電子レンジには使えません。ラップで握るで使うラップとは、透ける・透けない、温め直せる・直せない、密着する・しないの三点で性質が違います。どちらが良いかではなく、持ち歩く条件で選ぶものです。透けないので中身を見て選ぶ形の弁当には向かず…
海苔を別に包む(持ち歩き・保存)
海苔を飯と分けて包み、食べる直前に巻く方法です。海苔は飯に触れた時点から水分を吸うので、触れている時間そのものを短くする形になります。市販の包装が仕切りで解いている問題を、家庭では包み方で解くことになります。巻くのは食べる直前で、それまでは触れさせません。変わるのは味ではなく、焼き海苔の歯ざわりと、巻く手間の位置です。
冷凍したおにぎり(持ち歩き・保存)
握ってから凍らせて保存するものです。老化(β化)は0℃付近が最も速く、−10〜−20℃に凍結するとほとんど起こらないことが知られています(檜作進 1970)。だから冷蔵ではなく冷凍するが選ばれます。小分けにして、握った日のうちに凍らせます。海苔を巻いたまま凍らせるかどうかは、これとは別に決める話で…
常温で持ち歩く(持ち歩き・保存)
握ってから食べるまで室温に置く持ち方です。置いた時間と気温が食中毒に関わるため、味の条件と同じ列に数えておくものです。おにぎりが常温で運ばれる食品であること自体が、黄色ブドウ球菌の原因食品に挙がる理由で、梅干しを入れれば持つという言い伝えも、ここに集まってきます。安全性を具や包材に帰属させず…