梅干し

梅を塩漬けにした、酸味と塩分が強い具です。弁当が傷まなくなるという言い伝えが広く知られていますが、酸が届くのは接している飯とその周りまでで、入れたものと入れないものの菌数を同じ温度・同じ時間で比べた資料は見当たりません。

何が変わるか

梅を塩に漬けた具で、塩分と有機酸が具の側に集まっています。飯に触れている面から塩と酸が移るため、まず変わるのは接触面とその周りの味です。弁当が傷まなくなるという言い伝えは広く知られていますが、それがどこまで及ぶのかは常温で持ち歩く時間と気温と合わせて見るものです。酸と塩が及ぶ範囲を、おにぎり全体に広げて語らないことが、この項目の要点になります。

分かっていること

梅干しが塩漬けでつくられ、塩分と有機酸を多く含むことは製法から言えます。飯側に振る塩の量と合わせると、塩は二か所から入ることになります。ただし、酸が届くのは梅干しが接している飯とその周りに限られます。おにぎり全体、まして離れた場所に入れた具まで性質が変わるとした資料は見当たりません。見た目が同じでも、塩分と酸の量は漬け方で変わります。

分かっていないこと

梅干しを入れたものと入れないものを、同じ温度・同じ時間で置いて菌数を比べた公表資料は見当たりません。飯のpHが梅干しから何ミリメートル離れたところまで下がるのかも、測った報告に行き当たりませんでした。塩をつけて握ると傷みにくいと同じ形の言い伝えで、抗菌や防腐を効能として書ける段階にはありません。具の酸のにおいとすっぱいにおいがする変化を分ける目安もありません。気温と時間を書かずに写しても、比べようがありません。

どう測れば分かるか

同じ飯で具だけを変えた二つを、同じ温度・同じ時間で置きます。接触面と外周から飯を別々に採ってpHを測れば、酸の届く範囲が距離として出ます。採る位置を細かく刻むほど、境目ははっきりします。飯側に振る塩の量をそろえておくことも条件のうちです。測れるのは届く範囲までで、菌数の判定は自分で行わず、厚生労働省と自治体の資料に返します。測る側の条件をそろえるほど、言い伝えの輪郭は細くなります。

解説動画: 【プロ直伝】 専門店のふかふか【おむすび 】の作り方 人気おにぎり店の作り方と普通のおにぎりの作り方をプロの料理人が解説! 三角と丸のおにぎりの作り方も公開/料理人設楽の料理道場

時間を置くなら冷ます: 動画は最初に、握ってすぐ食べるなら熱々のままでよいが、時間を置くなら必ず一度冷ましてから包むと言います。熱いままラップやアルミで包むことが傷む原因になるという理由づけで、食べるまでの時間によって手順が分かれます。常温で持ち歩くときだけ、冷ます一段が増える形です。

海苔は炙って使う: 海苔はつるつるした面が表、ざらざらした面が裏で、縦の筋と平行に切ると切りやすいと示します。湿ってぱりぱりでなくなった海苔は、2枚重ねにして中火でさっと炙ると香りが戻る。重ねると炎が逃げるので焦げにくく、やりすぎると燃えると注意も付きます。安い海苔でも香りは立つ、という言い方でした。

種を取って中へ入れる: 具の梅干しは先に種を取っておきます。飯120gのうち蓋のぶんを取り分け、真ん中に穴を開けて梅干し3分の1ほどを入れ、取り分けた飯をかぶせてから形にする。手袋はゴムではなく薄いビニールのほうが飯が付きにくいそうです。包んだあとで海苔の上に梅干しを一つ乗せ、中身が外から分かるようにしていました。

塩は量って振る: 塩は握ったあとに外から振ります。動画が示すのは飯120gに対して塩0.8gという具体の値で、手で振ってもよいと添えながら、実際に秤に載せて量って見せるところが、ひとつまみで済ませる他の手順書と違います。この項目でいえば、塩の量をひとつまみで済ませずに数字で置いた、数少ない例になっています。

握らずに結ぶ: ぎゅっと握らない、崩れるくらいがちょうどよいと繰り返します。米粒どうしが結びついた状態をおむすびと呼び、いまの専門店はふわふわで崩れやすいこの形が主流だと述べます。三角は右手で角を作り左手を底辺にする昔ながらの握り方も並べて見せ、どちらも握る強さは軽くと結びます。