集中する技図鑑
通知を切る(邪魔を減らす)
その作業のあいだだけ、音と画面の表示を止めておく。作業を始める直前に、音とバナーの両方を止めます。まとめて止める設定を一つ用意しておけば数秒で済み、終わったら戻します。机の上に鳴るものを置かないところまでやると、画面を伏せる手間も要りません。急ぎの連絡が入る日は、特定の相手だけ通す形にして残りを止めます。…
通知をまとめて受ける(邪魔を減らす)
決めた時刻にだけ通知とメールをまとめて見る。通知とメールを見る時刻を先に決めて、その時刻以外は開きません。昼と夕方のように日に数回と決め、決めた回でまとめて片づけます。届いた合図に気づかない状態を作るため、音とバナーは通知を切るで常に止めておきます。開く側も10分ほどと区切り、そこで返信まで済ませます。…
スマホを別の部屋に置く(邪魔を減らす)
手を伸ばしても届かない距離まで離してから始める。始める前に、手を伸ばしても届かない距離まで置きに行きます。別の部屋か、かばんの奥に入れて閉めるところまでやります。机の上で裏返すだけだと手が届くので、数秒で元に戻せます。置きに行く動作そのものを作業開始の合図にすると、離す手順ごと忘れにくくなります。この技の中身は…
ながら勉強をやめる(邪魔を減らす)
動画やSNSを流したまま学ぶのをやめて一つに絞る。学ぶ間は、動画とSNSを閉じてから始めます。小さく流しておく形も同じ扱いで、見えるところに動く画面を置かないところまでやります。見る時間をあとにまとめると決めておけば、我慢の総量は変わりません。人の画面が視界に入る席なら、座る位置を変えるほうが早く済みます。…
窓を一つだけ開ける(邪魔を減らす)
使う画面を一つに絞り、ほかのタブを閉じる。使う画面を一つに絞り、ほかのタブを閉じてから始めます。あとで見るものは、閉じる前に題名だけメモへ移します。閉じずに小さくしておく形は、手が届く状態のままなので数に入れません。資料を二つ並べる必要がある作業なら、その二つだけを開いた形にします。閉じる作業そのものは1分で終わり…
戻りにくくする(邪魔を減らす)
誘惑に触るまでの手間をわざと増やしておく。誘惑に触るまでの手数をわざと増やしておきます。ログアウトしておく、置き場所を遠くする、画面の一枚目から外す、といった手当てです。共通しているのは、思いついた瞬間には触れない状態を先に作ることです。解除が数秒で済むなら、増やした意味はほとんど残りません。…
自分から中断する癖に気づく(邪魔を減らす)
中断の半分は誰にも邪魔されず自分から起きている。作業を中断した回数を、紙の端に線で数えます。列は2つに分け、呼ばれて止まったぶんと自分から手を伸ばしたぶんを分けて記します。1時間ぶんで足りますし、この段階では直そうとしません。職場を観察した研究では、中断のうちおよそ半分が自分から始まったものでした。…
切り替えの残りかす(注意を戻す)
前の用事が頭に残るので、区切りをつけてから移る。次の用事に移る前に、いまの作業の続きの一手を一行書いて閉じます。会議へ立つ前や別の資料を開く前の、20秒ほどの手当てです。書く中身は状況の説明ではなく、次にどこから手をつけるかだけにします。前の用事が途中のままで…
しおりを残す(注意を戻す)
中断する前に、次の一手を書いてから離れる。中断が来ると分かった瞬間に、次にやることを一行だけ書いてから離れます。「この式の分母を直す」のように動詞で終わる書き方にします。状況を全部メモするのではなく、再開の一手だけです。実験では、中断の直前に数秒の猶予があるだけで再開が速くなりました。声をかけられた場面でも…
途中で止める(注意を戻す)
きりのいい所でなく、続きが見える所で止める。区切りのよい所まで進めてから止めるのをやめて、次の一手が見えている所で手を離します。文章なら段落の途中、計算なら次の式が分かった状態です。止める前に続きの一行を残しておけば、翌日は読むだけで手が動きます。作家が次の一文が浮かんだところで筆を置くという話は有名ですが…
浮かんだ別件を逃がす(注意を戻す)
作業中に浮かんだ別件は、その場で書いて手放す。作業中に「あれもやらないと」と浮かんだ別件を、一行だけ書いて手元から出します。書く先は同じ紙かメモ画面にそろえて、その場では手をつけません。書いたら元の行に戻ります。中身は「歯医者」程度の短さでよく、あとで思い出せる目印になっていれば足ります。…
心配を書き出す(注意を戻す)
本番の直前に、不安に思っていることを書いてみる。本番の直前に、いま不安に思っていることを10分ほど紙に書き出します。書式は自由で、誰にも見せない前提にして体裁も整えません。試験や面接の直前に一度やる使い方で、毎日の日記とは別のものです。道具は紙一枚と鉛筆だけで、机の上でも会場の廊下でも書けます。…
気がそれたと気づく(注意を戻す)
注意が離れたことに気づいて、そのつど連れ戻す。読んでいる途中で中身から離れたことに気づいたら、そこで元の行へ戻すだけの技です。気づくまでの間が長くても、気づけたこと自体を成功の側に数えます。練習としては、呼吸に注意を向けておき、離れたら戻すやり方が知られています。作業中は離れた回数を紙の端に印で残すと…
ポモドーロ(時間の区切り)
25分作業して5分休む、という割り方をくり返す形。25分作業して5分休む、を1回分として数え、4回続けたら長めの休みを取ります。タイマーを鳴らすところまでを仕組みにして、途中で予定を差し込まないのが形の中身です。時計の数字が始める合図になるので、取りかかりの重さが減るという使い方をされます。…
短い休憩をはさむ(時間の区切り)
数分の短い休みを、作業の合間に何度も入れておく。作業の合間に数分の休みを、何度も入れておきます。席を立つ、窓の外を見る、飲み物を取りに行く、という程度で足ります。効き方が確かめられているのは活力と疲労感の側なので、出来を上げるためではなく夕方まで持たせるための手当てとして置きます。回数を先に決めておくと…
単調な作業は早めに切る(時間の区切り)
見落としが増える前に、単調な確認作業を切り上げる。校正・入力の突き合わせ・目視のチェックのように、まれな見落としを探す作業を長く続けません。落ちる前に切り上げるか、別の中身と入れ替えるのが形です。切る時刻は感覚で決めず、何分やったかと見つけた数を記録しておいて割り出します。同じ資料を二度見るなら…
締切前だけの集中(時間の区切り)
追い込みで量は出るが、考える質は落ちやすい。締切の直前だけ一気に進める形です。量が出るのは本当で、単純な処理はこの形でも片づきます。落ちやすいのは考えて組み立てる部分なので、仕事を処理と発想に分けておき、発想の側を締切から離れた日に置きます。締切が近いと手が動くという実感のほうは、否定されていません。…
まとまった時間を確保する(時間の区切り)
細切れをやめて、1〜2時間の枠を先に取る。予定表に1時間から2時間の枠を先に取り、そこへ作業の名前を書き込みます。空いた時間に入れるのではなく、枠を先に置いてから周りを埋める順にします。枠の中身は一つに決め、終わらなくても枠の終わりで切ります。毎日でなくてよく、週に2、3回の枠でも形になります。…
人の話し声を避ける(場所と音)
意味のある話し声は、覚える作業をいちばん壊す。意味のある話し声が耳に入る場所では、覚える作業をしないという線を先に引きます。隣の席の雑談やつけたままのニュース、後ろのテーブルの会話が、ここでいういちばん邪魔な音です。打つ手は席を移るか、その作業を静かな時間へ移すかが本筋になります。どちらも取れない場面だけ…
歌詞つき音楽を切る(場所と音)
読む・書く作業のときは、歌詞のある曲を止める。読む作業と書く作業のあいだだけ、歌詞のある曲を止めます。やり方は無音にするか、歌の入っていない曲へ替えるかの二択です。手を動かす単調な作業では止める理由が薄いので、そのままでかまいません。曲を選び直す時間そのものが中断になるため…
ホワイトノイズ(場所と音)
一定のざわめきをかぶせて、人の話し声を覆い隠す。砂嵐のような一定のざわめきを流して、人の話し声を聞き取れない状態にします。狙いは音を足すことではなく、変化する音を一定の音で覆うことにあります。すでに静かな部屋なら、わざわざ足す理由はありません。扇風機や換気の音でも同じ役目になるので…
視界を片づける(場所と音)
机と画面から、目に入るものをあらかじめ減らす。机の上をいま使う資料だけにしてから始めます。画面のほうも同様に、閉じられる窓とタブを先に閉じます。作業のあいだ手が伸びるものを視界から外す作業なので、収納の工夫ではなく一分で終わる下ごしらえとして置きます。見えていないと困るものは一つだけ残します。…
緑を見る休憩(場所と音)
窓の外の緑や空を、休憩のあいだ数十秒だけ眺める。休憩のあいだ、窓の外の緑や空へ数十秒だけ目を向けます。席を立てないときでも、遠くを見るだけなので成立します。実験で使われたのは40秒の眺めですが、これは効く時間の処方ではなく一本の実験の条件です。窓を見ながら画面も見るでは休憩になりません。休憩ごとに窓へ目を向ける…
家と職場を使い分ける(場所と音)
静けさと、中断の起きやすさで作業する場所を選ぶ。作業する場所を、好みではなく静けさと中断の起きやすさの二つで選びます。同じ作業を家と職場で一度ずつやり、何に何回止められたかを書き留めるところから始めます。家は話し声が少ない代わりに、自分から止まる中断が増えがちです。書き留めるのは中断の中身と回数だけで…