人の話し声を避ける

場所と音

意味のある話し声は、覚える作業をいちばん壊す

どんな技?

意味のある話し声が耳に入る場所では、覚える作業をしないという線を先に引きます。隣の席の雑談やつけたままのニュース、後ろのテーブルの会話が、ここでいういちばん邪魔な音です。打つ手は席を移るか、その作業を静かな時間へ移すかが本筋になります。どちらも取れない場面だけ、ホワイトノイズで覆い隠す側へ回ります。聞き流しているつもりでも入ってくる音なので、我慢でしのぐ形にはしません。

なぜ効くのか

聞こうとしていなくても、話し声の並びそのものが作業記憶に入り込み、順番を保つ働きと場所を取り合います。無関連音効果と呼ばれる現象で、内容が変わり続ける音のほうが同じ音の繰り返しより強く妨害すると、一貫して報告されています。だから狙いは無音づくりではなく、変化する音を一定の音に置き換えるところに置くほうが現実的です。順番を保つ必要が薄い作業では、この取り合いも小さくなります。

やり方

順番のある材料を覚える作業を、話し声が無い時間帯に寄せます。人がいる場所には、覚える作業ではなく手つきが決まっている作業を置きます。覆い隠すしかない場面では、話し声が言葉として聞き取れない程度まで一定の音をかぶせます。音楽で埋めるつもりなら歌詞つき音楽を切るまで読んでから選びます。席を入口や通路から一つ離すだけでも変わります。

はまりどころ

強く出ているのは順番のある言葉の材料を覚える種類の作業で、どんな作業も同じだけ落ちるわけではありません。作業の種類を見ないまま静かでなければ何もできないまで広げると、話が過大になります。カフェのざわめきのほうが集中できるという実感を否定はしませんが、それを確かめた比較実験は知られていません。音を足せば良くなるという話はBGMで集中力が上がるが扱う別の主題で、話し声を減らす根拠からは出てきません。

確かめられ方

無関連音効果として、Jones と Hughes、Schlittmeier らの一連の研究で材料を変えても同じ向きの結果が何十回も再現されています。使われている課題は順番のある短い材料を覚えるものが中心で、変化する話し声と一定の音を比べる形が多いです。開放型オフィスでの妨害の報告も一貫している一方、資格の勉強の成績まで測った研究は見当たりません。