通知を切る
邪魔を減らす
その作業のあいだだけ、音と画面の表示を止めておく
どんな技?
作業を始める直前に、音とバナーの両方を止めます。まとめて止める設定を一つ用意しておけば数秒で済み、終わったら戻します。机の上に鳴るものを置かないところまでやると、画面を伏せる手間も要りません。急ぎの連絡が入る日は、特定の相手だけ通す形にして残りを止めます。止める範囲は作業の一区切りぶんで足り、一日中切っておく必要はありません。
なぜ効くのか
通知は、触らなくても鳴った時点で注意が削られます。いまの作業の目標を保ちながら別の合図を処理することになるので、注意の切り替えが一回ぶん起きます。戻ったあとも前の構えが頭に残るため、切り替えの残りかすのぶんだけ立ち上がりが鈍ります。誰から来たのかを考えはじめると、そのままうわの空の状態が続くこともあります。
やり方
始める前に通知を止め、時計だけ見える状態にします。止めている間に届いたものは、作業を終えたあとにまとめて開きます。開く時刻を先に決めるなら通知をまとめて受けるに寄せられます。仕事で切れない立場なら、止める範囲を1時間だけに狭め、その時間を先に人へ伝えます。終わったら戻す手順まで含めると、切ったまま忘れる事故を防げます。
はまりどころ
止めても自分から画面を見に行くなら、減るのは外から来る中断だけです。世間で回っている中断から戻るまでの分数は、条件も課題も違う業務観察の平均なので、通知を止めた効き目の話とは別です。試験の点数が上がるところまでは測られていないので、成績の上下を通知のせいにはできません。連絡を切れない事情がある人が、意志で負けているわけでもありません。
確かめられ方
Stothart らが2015年に行った実験では、通知を受け取っただけで、持続的な注意の課題の誤りが増えました。対象は学部生で、材料は単調な画面課題、測ったのはその場の成績です。中断が再開を遅らせること自体は Altmann と Trafton の一連の実験で一貫していますが、学習の成績まで測った結果ではありません。
解説動画(海外・英語): How Smartphones Sabotage Your Brain's Ability to Focus | WSJ/The Wall Street Journal
注意は限りある: 動画は冒頭で、注意を一日ぶんの持ち金にたとえます。限りのある資源で、ある瞬間に使える量は決まっている、という置き方です。九時五時ではなく24時間つながる働き方になり、手元の端末が仕事をどこへでも連れていく。数え方によっては1日に63件を超える通知と90通を超えるメールが届き、3分に一度は作業を切り替えていると述べます。
頭の中の綱引き: 気が散る場面では、頭頂の領域と前頭の領域が綱引きのような関係になると説明されます。邪魔なものへ反応するのが前者、負荷の高い作業を続けさせるのが後者で、前者の反応が通れば注意はそれ、抑え込めていれば続く。何が大事で何が要らないかを選び分けること自体に力を使っていると述べます。
小さな判断が積もる: 受信箱の片づけは難しく見えなくてもこれは要るかという小さな判断の連続だ、と研究者は語ります。一つずつは軽くても数が積もると、後に控える大事な判断へ回すぶんが残らない。この人のメールの実験でも、こまめに見るほど重荷に感じる側で、1日3〜5回にまとめた群は負担が軽かった。通知をまとめて受けるに当たるやり方です。
切り替えに払う: 通知は静かな水面へ落ちる一滴で、続けば映すはずの像が乱れる——動画はそうたとえます。抱えている負荷が高いほど新しい邪魔に弱くなり、引かれるたびに注意を移して戻す注意の切り替えが起きる。その往復そのものに力が要るので、一日の終わりには消耗が積み上がると述べます。
止め方と代償: 手当てとして挙がるのは、時間を決めて通知を通さない設定にすることと、端末をふだんから消音にしておくことです。自分から開く回数が多いので知らせは要らない、とも語ります。結びは機器を手放すかどうかではなくその便利さの代金を見る話で、いつどう頼るかを考え直すところに置かれます。