戻りにくくする

邪魔を減らす

誘惑に触るまでの手間をわざと増やしておく

どんな技?

誘惑に触るまでの手数をわざと増やしておきます。ログアウトしておく、置き場所を遠くする、画面の一枚目から外す、といった手当てです。共通しているのは、思いついた瞬間には触れない状態を先に作ることです。解除が数秒で済むなら、増やした意味はほとんど残りません。作業ごとに設定し直す形は続かないので、一度で済む形にします。

なぜ効くのか

手数が増えると、思いつきのまま手が伸びる流れが一度止まります。止まった間に、いまの作業へ戻る余地が生まれます。逆に一回のタップで解除できる仕組みでは流れが止まらないので、レビューでも効かない側に並びます。先に環境をいじる形は先に環境を変えておくと同じ考え方で、その場の我慢に頼らない点が持ち味です。止まった一瞬に気づけるかどうかが、この技の当たり外れになります。

やり方

触ってしまうものを3つ書き出し、それぞれに手数を2つ以上足します。ログアウトしておく、スマホを別の部屋に置くのように距離を作る、を組み合わせます。解除に1分前後かかる状態を狙い、自分でいつでも戻せる形は避けます。数日おきに、抜け道ができていないかを見ます。見つかったら我慢で押さえるのではなく、そこへもう一手間足して塞ぎます。

はまりどころ

使用量を見せて気づかせるだけの手当ては、効きが弱いとレビューがまとめています。妨げる仕組みのほうも、すぐ解除できると効きません。人との約束で縛る形はお金や約束で自分を縛るが扱います。手間を増やしすぎて必要な連絡まで届かなくなる失敗もあります。抜け道を塞ぐ側にも手間がかかるので、仕組みを作る手間を見込んだうえで始めます。

確かめられ方

Lyngs らが2019年に、自制を助ける道具を367本集めて設計の型を分類しました。Biedermann らが2021年に、Monge Roffarello と De Russis が2023年にまとめたレビューは、使用量を見せるだけの介入は弱く、妨げる仕組みもすぐ解除できると効かないと整理しています。ただし測られているのは使用時間や自己申告が中心で、学習の成績まで見たものは少ないままです。