握り方、押さえ方、まな板の使い方。
包丁を持つ前に、まな板を動かないようにします。まな板の下に、濡らした布巾かキッチンペーパーを敷くと、切っている途中で板が滑りません(イリノイ大学とケンタッキー大学の普及資料)。皿や調理台の上で直接切らず、まな板の上で切ることも、イリノイ大学の資料が挙げる決まりです。
握り方は、刃と柄の境目を親指と人差し指で挟み、残りの3本の指で柄を握る形が基本です。刃の根元を持つぶん刃全体に力をかけやすく、ほとんどの切る作業に向きます。柄だけを握る持ち方は安心感がありますが、みじん切りのような細かい仕事に要る刃先の操作がしにくくなります(ケンタッキー大学)。包丁の大きさは、手の大きさと腕前で選びます。学生に牛刀できゅうりとにんじんを薄切りさせた調査では、刃渡り21cmの包丁は、包丁の技能が低い学生ほど使いにくいと答え、切れた枚数も少なくなりました。家庭で使いやすい大きさを聞くと、刃渡り16〜17cm・重さ110〜130gが最も多い答えで、家庭でよく使われていたのは三徳包丁とペティナイフでした(久木野・柿山、2015、学会の大会要旨)。
食材を押さえる手は、指先を内側に丸めて食材の上に置き、親指を指の後ろに隠して押さえます。指の関節が包丁の側面に当たる位置に来るので、関節を包丁のガイドにして切れば、指先は刃から離れたままになります。1回切るごとに丸めた手を同じ幅だけ後ろへずらすと、輪切りと半月切りや千切りの厚みがそろいます(ケンタッキー大学)。
丸い食材は、転がらないようにしてから切ります。半分に切るか、底を薄く切り落として平らな面を作り、その面を下にして置くと、安全に速く切れます(ケンタッキー大学)。玉ねぎは縦半分に切ってから、じゃがいもは1か所を薄く落としてから切り始めます。刻むときは、刃先をまな板に付けたまま刃元を上下させます(イリノイ大学)。玉ねぎを薄切りにするときは、繊維に沿うか断つかで切る向きを決めると、食感の狙いが定まります。
切れ味は、仕上がりの味にも出ます。包丁を試験機に取り付けて玉ねぎを切った実験では、切れ味のよい包丁のほうが、辛みの目安になるピルビン酸の生成が少なくなりました(関ほか、2014)。切れにくくなったら砥石で研ぎ直します。使い終えた包丁は手で洗ってすぐに水気を拭き、包丁立てかマグネットのホルダーにしまいます(ケンタッキー大学)。生の肉や魚を切った包丁は、洗ってから熱湯をかけて次の食材に使います(厚生労働省)。
出典
- 公的機関・英語 University of Kentucky(Eat Well UK)(2024) Knife Skills
- 公的機関・英語 University of Illinois Extension(Eat.Move.Save.) How to Safely Use Cutting Tools
- 論文 久木野睦子(活水女子大学)・柿山章江(長崎玉成高校), 日本調理科学会大会研究発表要旨集 27(2015) 包丁の使いやすさに影響をおよぼす要因について
- 論文 関佐知・清水徹・福岡美香・水島弘史・酒井昇, 日本食品科学工学会誌 61(2)(2014) 切断操作が及ぼす食材へのダメージ評価
- 公的機関 厚生労働省 家庭でできる食中毒予防の6つのポイント











