みじん切り
切る
みじん切りは、叩くのではなく刃で切る技術です。
使いどころ
香味野菜の下ごしらえ全般。玉ねぎ、にんにく、しょうが。細かいほど香りと味が全体に回ります。
やり方
玉ねぎなら半分に切って、根元を切り落とさずに残したまま、横に数本・縦に細かく切り込みを入れてから端から刻む。根元がつながっているのでバラバラにならず、押さえやすくなります。刃先を材料に当てたまま、ゆっくり滑らせるように刃を下ろすと、少ない力できれいな切り口になります。インド工科大学カラグプル校の研究チームが、なす・きゅうりなど9種類の野菜を包丁で切ったときに必要な力をセンサーで測った実験では、刃の角度15度・速度20mm/分の組み合わせが、角度25度・速度40mm/分よりずっと小さい力で切れました(なすで約79Nと約285N)。玉ねぎやにんにくは対象に含まれていませんが、刃が鋭く、動きがゆっくりなほど小さい力で切り口ができるという関係は、みじん切り全般にも当てはまると考えられます。
コツ・注意
包丁で叩き続けると細胞が潰れて水分が出て、辛みと苦みが強くなります。刃を滑らせて「切る」ことを意識してください。よく研げた包丁のほうが、味も良くなるのはこのためです。にんにくについては、トルコの大学の研究者によるレビュー論文(2024年)が、潰す・みじん切りにするなどで細胞が壊れると、酵素の働きで香り成分が作られ始め、切ってから30分〜4時間ほどのあいだ増え続けたと報告する研究を紹介しています。同じレビューは10分ほど煮ると、それ以上は増えなくなるとも述べていて、香りを立たせたいなら使う直前に刻み、じっくり煮込む料理ではタイミングをそこまで気にしなくてよい、という目安になります。
出典
- 論文・英語 Singh V, Das M, Das SK(インド工科大学カラグプル校)(2016) Effects of knife edge angle and speed on peak force and specific energy when cutting vegetables of diverse texture
- 論文・英語 Katırcıoğlu B(アジバデム大学), Navruz-Varlı S(ガーズィ大学)(2024) Effects of different preparation and cooking processes on the bioactive molecules of Allium vegetables
解説動画: 【有料級】100万回指を切って覚えたシンプルな方法/とにかく売れたい中華料理屋
皮は横向きにむく: 玉ねぎの皮を繊維に沿って縦にむくと途中で切れてストレスになる。最初に横向きにむくと、りんごの皮のように繊維が途切れずにむけるという手順を紹介している。
上下の処理: 色が変わっている先端は食べられないのでぎりぎりを狙って切り落とす。根の側はペティナイフを刺して回しくり抜くのがプロのやり方だが、家庭の万能包丁では刺さらないので、先に真っ二つに切ってからV字に沿って切り取るほうがやりやすい。包丁に慣れていない人が手に持って作業するのは危険なので、必ずまな板の上で行う。
切れる包丁を使う理由: これはルールと言ってよい、と強調している。切れない包丁は玉ねぎの繊維を押しつぶすため、汁が出て目にしみやすくなる。作業のストレスも増える。切れ味の維持そのものが、みじん切りの前提条件だという整理になっている。