切る量を減らし、火の通りを速くする組み立て。
短い時間で作る日は、火を強くするより先に、食材を薄く小さく切ることを考えます。厚さ20mmの牛肉を120〜220℃の熱板で焼き比べた実験では、熱板の温度の違いが主に変えたのは表面の焼き色で、肉の硬さや縮み方は、中心を何度まで上げたかで決まりました。焼く時間は、外から中へ熱が伝わる計算だけで見積もれたと報告されています(貝田・玉川・渋川、1999)。火を強めて変わるのは主に表面の色なので、時間を縮めるには、熱が中心まで届く距離、つまり厚みを減らすほうが確実です。
厚みのある鶏むねはそぎ切りにすると、厚みがそろって火の通りもそろいます。野菜は千切り・小口切り・薄い輪切りと半月切りにすると、炒める時間も煮る時間も短くなります。具を薄く小さくそろえてから強火で短時間仕上げると、野菜の水分が出る前に火が通ります。厚みの残る肉は、焼き色を付けたあと蓋をして蒸し焼きにすると、湯気で中心まで火を回せます。
電子レンジは予熱が要らないぶん、下ごしらえと加熱を同時に進められます。容器とふたは電子レンジ用のものを使います(厚生労働省)。ただし温まり方にむらが出るので、食材は小さく切り、皿に1段で並べ、肉や魚の厚い部分を皿の外側に向けます。ふたかラップは食材に触れないようにかけ、蒸気の逃げるすき間を残します。途中で何度か混ぜるか向きを変え、加熱が終わったら少し置いて熱を全体に回します(カナダ保健省)。肉や魚介を電子レンジで半端に加熱して終える使い方はしないよう、同じ資料は求めています。
炊飯器に米と具を入れて炊く料理は、火の番が要らないぶん、炊いているあいだに汁物や副菜を作れます。肉を入れるときは小さめに切り、炊き上がったら一番大きい切り身を割って、中まで火が通っているかを確かめます。加熱のめやすは、中心部の温度が75℃で1分間以上です(厚生労働省)。
時間を浮かせるために多めに炊いたご飯や炊き込みご飯を、室温に置いたまま冷ますのは避けます。セレウス菌は米飯や焼き飯が原因食品になりやすく、100℃で30分加熱しても壊れない芽胞を作るので、炊いたあとに増やさないことが要になります。加熱した食品は冷蔵(10℃以下)で保管します(大阪府)。残ったご飯やおかずは浅い容器に小分けして早く冷まし、温め直すときは75℃以上を目安にします(厚生労働省)。小分けにして冷凍しておけば、次の時間が無い日の1食がそのまま用意できます。
出典
- 論文 貝田さおり・玉川雅章・渋川祥子(横浜国立大学・東京ガス), 日本家政学会誌 50(2)(1999) 牛肉の熱板焼き調理における最適加熱条件
- 公的機関・英語 カナダ保健省(2018) Food safety tips for microwaves
- 公的機関 厚生労働省 家庭でできる食中毒予防の6つのポイント
- 公的機関 大阪府 セレウス菌、ウエルシュ菌による食中毒を防ごう!








