陶芸
つくる・育てる
土に触っている間は、他のことを考えられない
どんな趣味?
湿った土をこね、ろくろや手びねりで形を立ち上げ、乾かし、削り、釉薬をかけて窯で焼きます。土は乾く前に成形しきる必要があり、手を止めれば固まっていきます。指の力を少し変えるだけで壁の厚みが変わるので、湯のみ一つで二時間ほど、他のことを考える余地がありません。焼き上がりは窯を開けるまで分からず、思っていた色と違うものが手元に残ることも含めて出来事になります。
始めるのに要るもの
土も窯も個人では持てないため、最初は教室に通う形になります。体験は2,500〜5,000円ほど、月に二回通う教室で月5,000円〜1万円前後が目安で、土代と焼成代が別に千円台かかることもあります。道具は教室のものを借りられ、自分で買うのはかきべらとなめし革くらいで、3,000円ほどです。
最初の一歩
今週末は、公民館や市の文化施設、または町なかの工房の一日体験に申し込んでください。電動ろくろと手びねりが選べるなら、最初は手びねりのほうが自分のペースで進められます。作ったものを焼いて受け取るまで一か月ほどかかる流れが多く、その時差も含めて体験です。体験してから決めるのがこの趣味では特に効きます。
続けるとどうなるか
一年通うと、同じ形を十個作る意味が分かってきます。厚みが揃い、重さが揃い、そこでようやく釉薬の調合や窯の温度に興味が移ります。家の食器が少しずつ自分の作ったものに入れ替わり、地域の陶器市やグループ展のように発表・大会に出る機会も出てきます。土や焼き方の違いを追い始めると、旅先で窯元を訪ねるようになります。
向き不向き・注意
教室に通えなくなった時点で止まる趣味で、自宅で続けるには電気窯と置き場所が要り、家庭の100Vで使える小さなものでも10万円台から、普通に使える大きさなら数十万円です。土は爪と手荒れに来ますし、乾いて粉になった土を吸わないよう掃除も必要です。作品は必ず溜まるので、置き場所と、いらない作品の処分が二年目に問題になります。焼く工程は教室任せになるため、思ったとおりの色が出ないことにも慣れが要ります。
解説動画: 電動ろくろで形が崩れなくなる5つの押さえどころ/kiraku WEB動画 陶芸教室
概要: 電動ろくろで作るときに押さえたい点を5つに絞り、実演しながら通しで解説している。土を据えるところから、粘土を伸ばす順序、形を決める段階、最後に糸で切り離すところまでを一続きの流れとして扱う。始めたばかりでうまくいかない人に向けた内容で、細かい技法よりも工程の順番を重く見ている。
手順: まず土殺しで、土がぴたりと止まったと自分で分かるところまで据える。中心に穴を開けて広げたら、底がまだ浅いうちに底ぎわを絞ってくびれを作る。ここが粘土の下に指を入れて支えるための足がかりになる。そのうえで粘土を上へ伸ばし、薄くなってから形を決め、最後に切り離す位置の下にもうひとつくびれを作って仕上げる。
コツ: 粘土を薄くするときは外へ広げず上へ伸ばす。上から覗き込んで作業するのでどうしても横に広がりやすく、広がってきたら外側から包み込んで早めに戻すよう言っている。伸ばすときは左手だけで押さず、右手で受けて挟むと薄くなる。指の腹だと粘土に引っかかるので指先を使う。細くしたいときは外から絞り、広げたいときは内側から押し出す。
やりがちなミス: 土殺しの段階で揺れているのに作り始めると、その後は何を作ってもうまくいかないと繰り返し言う。薄くする作業と形を決める作業を同時にやるのも厚みがまちまちになり崩れる原因。最後のくびれは忘れる人が多いが、これがないと持ち上げるときに握って作品を歪めてしまうので、土殺しの次に大事だと位置づけている。