盆栽

つくる・育てる

十年先の姿を想像しながら、今日の一枝を切る

どんな趣味?

鉢に植えた木の枝を切り、針金で向きを変え、数年おきに根を切って植え替えます。やることは夏なら一日二回の水やりと剪定だけですが、今切った一枝が形になるのは二、三年後で、判断の答え合わせがひどく遅い趣味です。葉の落ちた冬の枝ぶりを見て、どこを詰めるか考える時間が中心になり、自分より長く生きる相手を扱う感覚があります。

始めるのに要るもの

園芸店やホームセンターの1,000〜3,000円ほどの素材苗が入り口で、鉢と用土、盆栽ばさみを足して5,000円前後から始められます。すでに樹形のできた木は数万円からですが、最初に買うと枯らしたときの損が大きく、一鉢目は安い素材苗を、枯らす前提で選ぶほうが学べます。

最初の一歩

今週末はホームセンターの園芸コーナーか、盆栽を置いている園芸店へ行き、幹が指くらいの太さの小さな苗木を一鉢買ってください。松は難しいので、もみじやけやきなど葉の落ちる木のほうが変化が分かりやすく、最初に向きます。家に帰ったら、まず室内ではなく屋外の日の当たる場所に置きます。ここを間違えると一か月で弱ります。

続けるとどうなるか

一年で水やりの加減が分かり、二、三年で自分が切った跡が形として出てきます。そこから針金かけや植え替えの時期を覚え、同じ木を十年単位で持ち続けることになります。展示会を見に行き、樹種を増やし、やがて鉢そのものを選び始めます。収穫も成長も速い家庭菜園や、室内で完結する観葉植物と比べると、時間の感じ方がいちばん変わる分野です。

向き不向き・注意

屋外での管理が基本で、室内に置き続ければ枯れます。ベランダも階によっては風で乾きすぎ、夏は一日水やりを飛ばしただけで戻りません。つまり長期の旅行と相性が悪く、留守中に預かってくれる相手が要ります。上を見れば木も鉢も一鉢で10万円を超える世界があり、踏み込むと止まりません。数年かけた木を自分の判断で枯らす日も、いつか必ず来ます。