会社と法律図鑑
就業規則の副業規定(会社との関係)
副業の可否を決めている社内の条文。副業を禁じるか許すかを決めているのは法律ではなく、勤め先が定めた就業規則です。国が示すモデル就業規則は原則容認の書きぶりですが、各社は自由に書き換えられるため、全面禁止から届出だけで足りるものまで幅があります。副業に触れた条文が見当たらないときは…
副業の許可申請(会社との関係)
始める前に会社へ出す届け出と承認。許可制や届出制の会社で、副業の内容を書いて上司や人事の承認をもらう手続きです。様式には取引先の業種や稼働する時間帯を書く欄があることが多く、本業と競合しないかと健康を害さないかを会社は見ます。届出制なら出せば足りますが、許可制は返事を待つ形で…
競業避止義務(会社との関係)
勤め先と競合する仕事を避ける義務。在職中は、勤め先と同じ市場で会社の利益を奪う仕事をしない、という義務です。雇用契約に伴って当然に生じると考えられ、就業規則に条文が無くても消えません。退職後の制限は、期間や地域、職種が限られ、見合う代償があるかどうかで判断されるため、何でも縛れるわけではないと整理されています。…
秘密保持義務(会社との関係)
本業で知った情報を外へ出さない義務。本業で知った顧客情報や社内資料を、外に持ち出さない・使わない義務です。在職中も退職後も続くのが特徴で、入社時の誓約書や就業規則、個別の秘密保持契約で定められます。対象は秘密として管理されている情報が中心ですが、自分の頭の中にある手順や単価も含まれうる点が見落とされがちです。
公務員の副業(会社との関係)
法律で原則が定められた立場の副業。国家公務員法や地方公務員法に、営利企業への従事制限と職務専念義務、信用失墜行為の禁止が置かれています。会社の規則ではなく法律なので、知らなかったでは通りません。一方で、許可を得れば行える範囲や、不動産や農業、小規模な執筆など従来から認められてきた形もあり…
会社に伝わる経路(会社との関係)
副業が勤め先に知られる主な道筋。知られる道筋はおおむね決まっています。多いのは住民税の額が同僚と違うことに給与担当が気づく形、次に社会保険の加入情報、そして本人や周囲の発信や口伝えです。税務署が勤め先へ副業を知らせる仕組みは基本的にありませんが、住民税は本業の給与から引かれるのが既定なので、金額の変化は伝わります。
業務委託契約(契約と責任)
雇われずに事業者として受ける契約。会社に雇われるのではなく、仕事の完成や事務の処理を引き受ける契約です。副業で受ける依頼の多くはこの形で、発注者とは対等な事業者どうしとして扱われます。労働基準法の保護は原則として及ばず、最低賃金や残業代という考え方は使えません。報酬は成果や作業量に応じて決まり…
請負と準委任の違い(契約と責任)
完成を約束するか、行為を約束するか。どちらも業務委託と呼ばれますが、中身は別物です。請負は仕事を完成させることに報酬が出る形で、成果物が仕上がらなければ支払われません。準委任は決められた行為を誠実に行うことに報酬が出る形で、結果そのものは約束しません。記事や動画は請負、相談対応や運用の代行は準委任になりやすい仕事です。
契約書と発注書(契約と責任)
条件を紙に残すための最小限の書類。契約書は取引全体の約束、発注書は一件ごとの条件を書いた紙です。副業では毎回契約書を交わすとは限らず、最初に基本となる契約を結び、あとは案件ごとに発注書で進める形がよく使われます。金額と納期と成果物と支払日が書いてあれば、簡素な様式でも十分に働きます。押印の有無より中身です。
フリーランスを守る法律(契約と責任)
発注側に条件明示や期日払いを求める決まり。個人で仕事を受ける人と発注する事業者の取引について、取引条件を書面などで示すことや報酬の支払期日などを発注側に義務づける法律が整備されています。想定されているのは従業員を雇わず一人で受けている人で、副業として個人で受ける場合も対象になりうる考え方です。
損害賠償と再委託(契約と責任)
失敗したときの責任と、人に任せる約束。納品物に問題があって発注者に損害が出たとき、契約に沿って賠償を求められることがあります。再委託は受けた仕事の一部や全部を別の人に頼むことで、契約で禁じられていたり、事前の承諾が必要とされていたりします。どちらも契約書の後ろに小さく置かれがちで、読み飛ばされやすい条項です。
労働時間の通算(働き方のルール)
雇われて働くと本業と時間が合算される。副業も雇用契約で働く場合、本業と副業の労働時間は原則として通算して考えます。合計が1日8時間や週40時間を超える部分は時間外労働の扱いになり、割増賃金をどちらの勤務先が負担するかは契約の前後などで整理されます。業務委託として受ける仕事は、原則としてこの通算の対象になりません。
雇用契約での副業(働き方のルール)
アルバイトとして働く形の副業と扱い。短時間のアルバイトのように、指揮命令を受けて働く副業です。時給が決まり、シフトに入り、最低賃金や割増賃金、有給休暇といった労働者としての保護が及びます。受け取るお金は給与という扱いになるため税の考え方も業務委託とは変わり、副業先の給与は年末調整されないことが多く…
労災と副業(働き方のルール)
けがや病気のときの保障と、その空白。雇われて働く副業なら、その勤務先でも労災保険の対象になります。給付額を算定するとき、複数の勤務先の賃金を合わせて考える仕組みも設けられています。移動中の事故が対象になる場合もあります。一方で業務委託で受ける仕事は原則として労災の対象外で、自分で備えるほかありません。
著作権と納品物の権利(権利を守る)
つくったものが誰のものになるかの決め方。文章や絵、写真、音源、プログラムなどには、つくった時点で作者に著作権が生じます。納品しても自動的に相手のものになるわけではなく、譲るのか、使う範囲だけ許すのかは契約で決まります。作者の人格に関わる権利は譲渡になじまず、行使しない約束として書かれることがあります。
肖像権と写真の使用(権利を守る)
人が写った写真を仕事で使うときの線引き。人の姿を無断で撮られたり使われたりしない利益は、明文の一本がなくても保護されると考えられています。よく知られた人については、その姿が持つ経済的な価値を守る考え方も加わります。写真の著作権が自分にあっても、写っている人の同意とは別の問題です。