労災と副業
働き方のルール
けがや病気のときの保障と、その空白
どういう決まり?
雇われて働く副業なら、その勤務先でも労災保険の対象になります。給付額を算定するとき、複数の勤務先の賃金を合わせて考える仕組みも設けられています。移動中の事故が対象になる場合もあります。一方で業務委託で受ける仕事は原則として労災の対象外で、自分で備えるほかありません。
何が問題になるか
在宅の作業中に腰や目や手を痛めても、業務委託なら、公的な補償は原則ありません。数か月休めば副業の収入は止まり、本業まで休むことになれば影響はさらに広がります。特別加入という制度が使える職種もありますが、対象は職種ごとに決まっており、団体を通じた手続きと保険料の自己負担がかかります。
どう備えるか
雇用なら、事故のときはすぐ勤務先へ伝え、受診時に仕事中のけがだと申告します。健康保険で処理してしまうと、あとから直すのに手間がかかります。業務委託が中心なら、働けない期間に備える民間の保険や、数か月分の生活費の蓄えを検討します。痛みを我慢して納期を優先すると回復は長引きます。配分の見直しは燃え尽きを防ぐも参考に。
確認先
労災保険の給付や、複数の事業所で働く人の扱いは、厚生労働省と労働基準監督署が案内しています。特別加入の対象は随時見直されており、加入できる職種が広がることもあります。保険料は自分で負担します。適用の可否は個別の判断ですので、勤務先の窓口か監督署へ確かめてください。
解説動画: 【2020年最新】④「副業・兼業の保険給付」兼業をする従業員、もし片方の事業場で労災が発生したら保険はどうなる?企業と労働者に知って欲しい内容です、ぜひご覧ください!/Doctor Trust ドクタートラスト 公式チャンネル
複数事業労働者という枠: 2020年9月の改正で、複数の会社に雇われて働く人を複数事業労働者と呼ぶ考え方が新しくできた。副業先で災害が起きたときの保険給付の計算と、そもそも労災と認めるかどうかの判定が、この枠に当てはまる人だけ変わっている。会社側と働く側の両方に関わる話として整理されている。
賃金を合算して給付を出す: 改正前は災害が起きた会社の賃金だけで給付額を出していた。二社で合計35万円、うち被災した側が15万円なら、休業補償6割と特別支給金2割の8割をかけても12万円ほど。改正後は両社の賃金を合算した35万円が基礎になり、同じ割合で28万円。差は16万円になる。
一社では足りない負荷も併せて見る: 給付額だけでなく、労災と認めるかどうかの見方も変わった。以前は会社ごとに別々に見るので、どちらか一方だけでは足りない負荷は労災にならなかった。改正後は二社分を併せて評価して労災と判断できる。掛け持ちで働く人ほど保障が手厚くなる変更だとしている。
起きていない側の会社の責任: 会社側が気にする点として、災害が起きていない側の会社は労働基準法上の災害補償責任を負わないと明確になった。自社で起きた分は自社が補償するが、他社で起きた分まで負担する必要はない。労働時間を通算して80時間を超えた場合の面接指導も、自社分で80時間を超えていなければ義務ではない。
申請書の副業欄で決まる: 働く側で必ずやることが一つある。労災の請求は会社から出すため、副業を会社に伝えていないと、申請書にある副業・兼業の有無の欄が「なし」で出てしまう。そうなると合算されず、元の12万円のままになる。合算分を受け取りたいなら勤め先への共有が前提だと念を押している。