業務委託契約
契約と責任
雇われずに事業者として受ける契約
どういう決まり?
会社に雇われるのではなく、仕事の完成や事務の処理を引き受ける契約です。副業で受ける依頼の多くはこの形で、発注者とは対等な事業者どうしとして扱われます。労働基準法の保護は原則として及ばず、最低賃金や残業代という考え方は使えません。報酬は成果や作業量に応じて決まり、働いた時間の長さは基準になりません。
何が問題になるか
名前が業務委託でも、実態が指示どおりの労働なら雇用と判断されることがあり、逆に自由に働くつもりが細かい指示で縛られることもあります。もめやすいのは報酬の締め日と支払日、修正の回数、著作権が誰のものになるかの三つです。口約束のまま進めると、後から条件を足されても反論する材料が残りません。
どう備えるか
受ける前に成果物の範囲と修正の回数、支払日、途中で中止になったときの扱いを文面に残します。メールやチャットでの合意も記録として役に立ちます。書面の整え方は契約書と発注書にまとめました。その場で署名を求められても即答しないでください。報酬から所得税が引かれて振り込まれる形もあり、手取りは請求額より少なくなります。
確認先
契約の基本的な考え方は民法にあり、雇用にあたるかどうかの判断は厚生労働省の資料が入口になります。条文はe-Govの法令検索で読めます。実態で判断される部分が大きく、あてはめは事案ごとに違います。迷うときは労働基準監督署や法テラスへ。改正で扱いが変わることもあります。
解説動画: 正社員より業務委託の方がメリットがある理由はコレです!シミュレーションでわかりやすく解説します!/脱・税理士スガワラくん
給料でもらうか、報酬でもらうか: 年収440万円の人を例に、社員として給料をもらう場合と、同じ額を業務委託の報酬で受け取る場合を並べて計算している。社員側は健康保険21万5568円と厚生年金39万8千円が引かれ、税金より社会保険のほうが重い。業務委託側は国民健康保険と国民年金月1万9180円を自分で払う代わりに、青色申告特別控除の65万円が使える。
生活費のどこまでを経費にできるか: 差がつくのは経費の欄だと言い切る。車400万円の9割を新車の耐用年数6年で割って年60万円、ガソリン代は月4万円の9割で年43万円、駐車場・携帯・家賃10万円のうち2割・備品40万円を4年で割った分を積み上げ、合計163万6600円。仕事をしていなくても払うお金が経費側に回るのが要点。
手取りが減って見える理由: 額面の手取りだけ見ると業務委託のほうが110万円ほど少ない。ただし中身は、小規模企業共済の掛金年84万円と、もともと生活費として払っていた経費。共済は積み立てた額の8割ほどまで貸付制度で借りられ、借りても節税効果は変わらないので、実際に使えるお金は多い側だと説明する。
消費税と年金はこうなる: 報酬440万円には消費税40万円が含まれる。免税事業者がインボイス制度に登録しても2割特例なら納付は8万円、発注側も未登録の相手から8割は控除できるので、登録しない前提で交渉する手もあるという。一方で厚生年金から国民年金に変わり、将来の年金は減る——元を取るには90歳以上生きる計算になると話す。
受ける前に見ておく短所: 確定申告を自分でやることになり、税理士に頼めば費用も出る。経費に入れられるものが少ない人は社員のままのほうが有利な場合もあると認めている。さらに専属の外注は税務上否認されるリスクがあり、いつ切られるか分からない立場でもある。安定が欲しいなら雇用のままでいい、という締め方。