フリーランスを守る法律
契約と責任
発注側に条件明示や期日払いを求める決まり
どういう決まり?
個人で仕事を受ける人と発注する事業者の取引について、取引条件を書面などで示すことや報酬の支払期日などを発注側に義務づける法律が整備されています。想定されているのは従業員を雇わず一人で受けている人で、副業として個人で受ける場合も対象になりうる考え方です。
何が問題になるか
法律があっても、自分が対象だと知らないと使えません。条件を口頭だけで済まされる、支払いが何か月も先に設定される、受け取った後に理由なく減らされる、といった場面でこれは違反かもしれないと気づけるかどうかが分かれ目になります。取引を続けたい気持ちが働くと、言い出せないまま流れてしまいます。
どう備えるか
まず条件が書面か電磁的方法で示されたかを確かめ、示されないなら求めます。業務の内容と報酬額、支払期日のやりとりは保存しておきます。一方的な減額や受領の拒否があれば、記録とともに窓口へ相談します。相手が大きな会社でも、確認を求めること自体は失礼にあたりません。未払いへの対処は報酬の未払いに。
確認先
所管は公正取引委員会と中小企業庁、厚生労働省で、相談の窓口も設けられています。適用の範囲や義務の中身は見直されることがあり、ここに書いたのは執筆時点の考え方です。最新の内容は所管省庁の案内で確認してください。判断に迷うときは法テラスも入口になります。
解説動画: 【 全事業者が理解すべき フリーランス新法徹底解説 】知っていないとマズイ/ 罰則のリスクもある / 知らずに違反をしていませんか?/ やってはいけない7つの禁止行為 / 公正取引委員会/PIVOT 公式チャンネル
法律上のフリーランス: 守られるのは、業務委託の相手方のうち個人で従業員を使用しない者と、代表者のほかに役員がいない一人法人。ここでの「従業員を使用」は、週20時間以上かつ31日以上の雇用が見込まれる労働者を雇うこと。発注側は規模を問わず、フリーランスがフリーランスに頼む場合も発注事業者にあたる。
発注側の2つの義務: 1つは取引条件の明示。業務委託したら直ちに、書面か電磁的方法で条件を示す。メールでもSNSのメッセージでも構わない。もう1つは支払いで、給付を受領した日から60日以内のできる限り短い期間で支払期日を定め、請求書が出ているかどうかに関わらずその日までに払う。
再委託のときの例外: 自分が受けた仕事の一部や全部をさらにフリーランスへ回す場合だけ、支払期日に例外がある。再委託である旨・元の委託者・元委託者からの支払期日の3つを明示しておけば、その支払期日から30日以内に自分の支払期日を置ける。ただし入金が遅れたことを理由に支払いを遅らせるのは違反になる。
やりがちな禁止行為: 1か月以上の業務委託には7つの禁止行為がかかる。公取委の担当者が多いと挙げたのは報酬の減額、委託の範囲を超えた作業を「ついでに」頼む不当な経済上の利益の提供要請、そして不当な給付内容の変更・やり直し。運送だけを頼んだのに倉庫の作業もついでに、というのが2つ目の例。3つ目は、責任がないのに費用を持たずに変更ややり直しをさせること。
違反したときの流れ: おかしいと思ったら、公取委などの窓口に調査の申出ができる。調査のあとは指導・助言・勧告と進み、従わなければ命令と公表、命令違反は50万円以下の罰金。勧告の段階でも企業名と違反の概要が公表される。実例として、大手出版社がライターらに条件を明示せず、支払期日までに報酬を払っていなかった件が挙がっていた。