請負と準委任の違い
契約と責任
完成を約束するか、行為を約束するか
どういう決まり?
どちらも業務委託と呼ばれますが、中身は別物です。請負は仕事を完成させることに報酬が出る形で、成果物が仕上がらなければ支払われません。準委任は決められた行為を誠実に行うことに報酬が出る形で、結果そのものは約束しません。記事や動画は請負、相談対応や運用の代行は準委任になりやすい仕事です。
何が問題になるか
請負なのに完成の定義があいまいだと、いつまでも検収が下りません。準委任なのに成果を約束したように読める文面だと、結果が出ないことを理由に報酬を減らされる余地が生まれます。時間に対して受けたはずが成果責任まで負わされる、という食い違いは副業の現場でよく起きます。
どう備えるか
契約書の題名ではなく、報酬が何に対して払われるかを読みます。完成に対してなら、完成した状態を具体的に決めておきます。行為に対してなら、月に何時間まで対応するのかを数字で決め、範囲はどこまでかも書き出します。口頭の追加依頼は範囲外だと伝えます。手がかりになる言葉は検収に。
確認先
請負と委任・準委任はいずれも民法に定めがあり、条文はe-Govの法令検索で読めます。どちらとして扱われるかは契約書の文言と現場のやりとりの両方から判断されます。ひな形は中小企業庁などが公開しています。迷う契約は署名前に法テラスへ相談してください。
解説動画: システム開発のポイント1【準委任契約と請負契約の違い】/弁護士中野秀俊のYouTube法律相談所
報酬の決まり方が違う: 二つの契約は報酬が何に対して払われるかで分かれる。準委任は単価×時間で決まる型で、140時間で月70万円といった決め方をする。開発現場でSES契約と呼ばれるものがこれにあたる。請負は成果物を納めて初めて報酬が出る。作業をしたかではなく完成したかが条件になる。
契約書の題名は当てにならない: 「契約書に請負と書いてあるから、成果物が納まるまで払わなくていい」という相談が来るという。ここでタイトルは関係ないと言い切る。報酬が単価×時間で請求されているなら、題名が請負でも中身は準委任。見るのは契約書の中身で、実態で型が決まる。
工程の途中で型が変わる: システム開発は要件定義・設計・開発・テストと進むが、契約が一本とは限らない。要件定義や外部設計の段階は作業に対して払う準委任、開発やテストの段階は成果物を納める請負、と分けている例が挙がる。どの工程がどちらなのかを見ておく。
受ける前に確かめる二つ: 引き受ける前に確かめるのは二つ。成果物を納めるのか、作業をするのか。そして報酬は何に対して払われるのか。作業のつもりが請負だと、納品しないと一円も出ないことになる。請負では納期や検収を条件に支払いを定める契約もあるので、そこも読む。
瑕疵担保が出るのは請負: 請負になると、納めたものに不具合があったときの瑕疵担保の話が出てくる。準委任ではそうならない、と対比している。どちらが良い悪いではなく、二つの型があると意識すること、そして契約書の中身を確かめることが要点だとまとめる。