攻略 | オトモアグリ

魚・微生物・植物が、水を通してどうつながるかを一望する。

魚と植物と微生物は、1つの水でつながっています。魚のふんや食べ残しからアンモニアが生まれ(餌からアンモニアへ)、これが微生物の働きで亜硝酸に変わり(アンモニアから亜硝酸へ)、さらに別の微生物が硝酸に変えます(亜硝酸から硝酸へ)。根はこの硝酸を養分として吸い上げ(植物が吸う窒素)、水に残るアンモニアと亜硝酸はほとんど無くなります。魚にとって毒になる排泄物を植物が使える養分に変えるこの仕組みが、アクアポニックスの中心です(Agriculture Academy の解説)。

この変化を担うのは、水に浸った暗く湿った面に住み着く微生物です(生物ろ過の担い手)。立ち上げの直後はこの微生物がまだ少なく、魚を入れる前に数週間、えさだけを与えてアンモニアを足し、微生物を増やす期間を置きます(フィッシュレスサイクリング)。この立ち上げには4〜6週間ほどかかり、急いで魚や苗を入れると水が荒れて魚が弱る失敗につながります(Chris The Amateur Gardener の説明)。立ち上げの途中で魚を入れてしまったときに起きる不調は、新水槽症候群として別に扱います。

微生物が硝化を進めるにも、魚が呼吸をするにも、根が養分を吸うにも酸素が要ります(硝化に要る酸素・魚が使う酸素・根が使う酸素)。水面を揺らしたり気泡を送ったりして酸素を補い続けることも、水を止めずに回す仕組みの一部です。

根を支えて育てる床にも型があります。小石や培地に根を植えるメディアベッドは初めて取り組む人でも扱いやすく、板を浮かせて根を水に垂らすDWC(浮き床の水耕)、薄い水の膜を流し続けるNFT(薄膜水耕)もあり、置き場所や育てる作物で選びます(Chris The Amateur Gardener の説明)。水は水中ポンプで循環させ、酸素はエアポンプとエアストーンで補います。

培地
ハイドロボール
培地写真: Lucis / CC BY-SA 3.0
メディアベッド
トロ舟
メディアベッド写真: Penguinponics / CC BY 4.0
DWC(浮き床の水耕)
水耕栽培パネル
DWC(浮き床の水耕)写真: ArcadiYay / CC BY-SA 4.0
NFT(薄膜水耕)
水耕栽培パイプ
NFT(薄膜水耕)写真: Ildar Sagdejev (Specious) / CC BY-SA 4.0
水中ポンプ写真: Suyash Dwivedi / CC BY-SA 4.0
エアポンプ写真: User:Corydoras-adolfoi / CC BY-SA 4.0
エアストーン写真: Nimmerwelk / CC BY-SA 4.0

水温・pH・アンモニア・亜硝酸・酸素といった数字の変化は、pH計や水質試験キット、水温計、溶存酸素計で定期的に確かめます。魚は養分やpHの変化に敏感な生きものなので、数字は日々か、少なくとも週に一度は測ることが欠かせません(Agriculture Academy の助言)。

pH計写真: Ildar Sagdejev (Specious) – derivative work: Kreuzschnabel / CC BY-SA 3.0
水質試験キット写真: R. Henrik Nilsson / CC BY 4.0
溶存酸素計写真: Nuno Nogueira (Nmnogueira) / CC BY-SA 2.5

魚のふんが与える養分は窒素が中心で、実のなる作物が必要とするリンやカリウムは足りなくなることがあります。育てる作物に合わせて岩石の粉や海藻の抽出物などの補いを使う生産者もいます(Chris The Amateur Gardener の説明)。魚・微生物・植物のどこかで数字が動けば、ほかの2つにも影響が及ぶため、個別の生きものより水全体の動きを追うことが、アクアポニックスを続ける土台になります。

出典

  1. 動画・英語 Agriculture Academy Starting Your First Aquaponics System: The Basics
  2. 動画・英語 Chris The Amateur Gardener What Is Aquaponics? Beginner’s Guide to Sustainable Farming