攻略 | オトモアグリ

魚の入れすぎ・えさのやりすぎ・立ち上げ前の投入、の防ぎ方。

初めての1槽で魚を死なせる原因は、立ち上げを待たない投入・魚の入れすぎ・えさのやりすぎの3つに集まります。3つはどれも、微生物が受け止められる量を超えたアンモニアを水に残します(生物ろ過の担い手)。防ぎ方も共通で、アンモニアを出す量を、受け止める側より先に増やさないことです。

最初に済ませるのは、魚を入れないままアンモニアを足して硝酸が出るまで回す立ち上げです(フィッシュレスサイクリング)。期間は3〜5週、条件が良ければ25〜40日、水が冷たいと2か月までかかります(FAO)。魚を入れない立ち上げなら10日から3週で済み、魚と一緒に立ち上げると4〜6週かかります(ニューメキシコ州立大学)。終わりの目安は、アンモニアと亜硝酸がどちらも0.5 ppm以下に落ち、硝酸が検出されることです(同じ資料)。待たずに魚を入れると新水槽症候群に移り、アンモニアと亜硝酸が順に積み上がります。立ち上げを待たずに入れるときは、数を減らして入れます(FAO)。アンモニアを足しても数字が動かないままなら、魚を入れる前に立ち上げから数字が動かないの項目を読みます。

魚の数は、水量と床の広さの両方で決まります。水1000Lに魚20kgが上限で、表の目安は10〜20kgです(FAO)。立ち上げの間はさらに低い密度にとどめます(ニューメキシコ州立大学)。上限を超える密度は曝気と機械ろ過を足せば成り立つものの、初めての系には勧められていません(FAO)。床を小さく作った系では、床の広さが飼える魚の数を縛ります(Aquaponics Revolution)。床の広さから決まるえさの量は、葉物で1日40〜50 g/m²、果菜で50〜80 g/m²が目安です(FAO)。床が狭いまま魚を増やすと、吸い切る株が足りず硝酸だけが増え続ける状態に進みます。硝酸が150 ppmを超えるのは、株が少ないか魚の排泄が多い合図です(ニューメキシコ州立大学)。

研究チームは、250Lの屋内の培地式の系でオオウナギを10尾・15尾・20尾の3つの密度で8週育て、各3反復で水と育ちを測りました。20尾の系の総アンモニア態窒素は10尾の系より53.7%高く、亜硝酸の最大値は4.67 mg/L、硝酸は36.67 mg/Lに達しました。1日あたりの成長率は15尾が0.65%、20尾が0.42%で、育ちが最も良かったのは中くらいの密度でした(Royら)。アルカリ度を測っていない点と、pHが6を下回った時期がある点は、著者が限界として挙げています。密度の上限は魚の種類と系で変わるので、低い側から始め、数字が落ち着いてから少しずつ増やします。

えさは、魚の体重から出した量を上限にし、食べ残しで加減します。育てている途中の魚は1日に体重の1〜2%、入れてから2〜3か月の50g前後の魚は約3%が目安です(FAO)。まいて30分たっても残るぶんは取り除き、次の量を減らします。残らなければ少しずつ増やします(同じ資料)。えさからは重さの0.25〜0.30倍の固形物が出て、分解のときに水の酸素を使います(ニューメキシコ州立大学)。有機物が多い水では硝化が鈍るため、えさを増やしたぶんはアンモニアが下がらないや亜硝酸が跳ね上がったとして表に出ます。固形物の分解は夜から明け方の酸素も削るので、明け方だけ酸素が足りないと分かった日はえさを減らします。えさを残すようになったときは、量ではなく水の状態を先に疑います(FAO)。

3つの失敗は、測る頻度で早く見つかります。立ち上げの途中はアンモニアと亜硝酸を毎日測り、どちらも1 ppmを超えさせません(ニューメキシコ州立大学)。亜硝酸が1 ppmを超えた日は、水槽の3分の1までを入れ替えます(同じ資料)。数字が落ち着いたあとは週に一度で足りますが、pHは硝化で毎日下がるので毎日読みます(同じ資料)。順番は、床と水量を決める・魚を入れずに立ち上げる・少ない魚で始める・食べ残しでえさを決める・数字を見て増やす、の5段です。一度崩した微生物は増え直すのに時間がかかるので、生物ろ過が崩れるときを招かない運び方が早道です。

出典

  1. 公的機関・英語 FAO(国連食糧農業機関)(2015) Management of the aquaponic systems
  2. 公的機関・英語 Rossana Sallenave(ニューメキシコ州立大学)(2026) Important Water Quality Parameters in Aquaponics Systems (Circular 680)
  3. 論文・英語 Roy, Lee, Choi, An, Choi(2025) Sustainable Development of Water Quality, Growth, and Production Efficiency of the Giant Mottled Eel (Anguilla marmorata) at Different Stocking Densities in the Indoor Media-Based Aquaponics System
  4. 動画・英語 Aquaponics Revolution 10 Aquaponics Mistakes and how to avoid them