NFT(薄膜水耕)
NFT(薄膜水耕)は、水を薄く流し根の上半分を空気に触れさせる型です。
写真: Ildar Sagdejev (Specious) / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)用途
管の底を水が薄く流れ、根の上半分は空気に触れる型です。根が酸素を取りやすく、水が日に当たらないので蒸発も少なくて済みます。水量が少なく軽いぶん、棚や壁、ベランダの手すりにも並べられます。培地が無いので、沈殿槽と生物ろ材を別に置くことが前提になります。この型を選ぶことは、ろ過を外に持つことを選ぶことでもあります。
選ぶときに見るところ
管径は葉物で7.5cm、果菜や何種類も混ぜて植えるなら11cm、角管なら幅10cm×高さ7cmが目安です。長さは1〜12mまでで、それより長いと手前の株が吸ってしまい、先の株へ養分が届きません。勾配は1mあたり1cm、植え穴は径7〜9cm、株の中心の間隔は21cm以上。白い管は日射を返すので、中の水温が上がりにくくなります(FAO 589)。
使いかたと手入れ
1本あたりの流量は毎分1〜2Lまでに絞り、余った水は魚の槽へ戻します。ミニトマトやミントは根が太く、育つほど管を塞いで水をあふれさせます。入口の詰まりと、管の中のぬめりは定期的に見るところです。夏は管の中で水が温まるので、水温は出口の側で測ります。停電に最も弱い型でもあり、止まった時刻が後から分かるようにしておきます。
無い場合の影響
送水が止まれば、根は水に触れなくなります。膜の水はごくわずかで、蓄えがありません。止まった管では根が茶色くぬめる症状が出て、水を戻しても株はそのままには戻りません。沈殿槽と生物ろ材を省いた場合は固形物が管に詰まり、硝化の場も足りず、アンモニアが下がらないと亜硝酸が跳ね上がった状態が同時に来ます。送水が止まった管は、数時間で乾きます。
解説動画
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Nutrient Film Technique: You’re Doing it Wrong!
膜でなくなる型
動画は、樋の水位を上げるための堰や立て管、端の栓をNFTの利点を打ち消す作りだと指摘します。ポンプが止まったときの備えに見えるが、樋の全体を水深2インチ(約5cm)で満たす作りでは根が浸かりきり、酸素を流量だけに頼ることになる。エアストーンを並べない限り、薄い膜には及ばないと述べます。
土とどう違うか
動画は利点を、酸素と水・養分の比で説明します。土では水をやれば地面から空気が押し出され、乾けば呼吸できても養分を溶かす水が無い。その行き来を釣り合わせ続けるのが土の栽培だと言う。薄い膜なら根が空気に触れたまま水と養分に届き続けるので、釣り合わせる作業そのものが要らなくなる。
丸い管の場合
本来は底が平らで筋の入った角管がよく、養液は底の溝に分かれて走る形になる。ただ丸い管でも、根がある程度たまれば根そのものが水位を作ると話します。端の栓を外して見せ、養液は根の上まで来ておらず、上の根は空気に出たまま濡れている、という状態を、カメラを近づけて示しました。
根腐れが出た所
根腐れ(根が茶色くぬめる)の正体はピシウムという菌で、どこにでもいて酸素の足りない所で取り付くと説明します。動画は最も深い、端の管で流れが滞る場所のナスを抜いて見せ、そこだけ根が常に沈んだままだったことを原因に挙げる。感染ではなく酸素の話だ、という立て方です。
温度と流す量
養液の温度は25〜30℃で収量が最も高く、20〜30℃が広めの適温だと、参照している本から挙げます。流量は樋1本あたり毎分2L。自分の系はむしろ低すぎたので、T字で分けてコックで各樋を2Lに絞ったと言う。貯水槽のほかに溜まった水を作らない形こそが要だと、あらためて結びます。
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