肌の科学図鑑 | オトモマッスル

角層が水分を保ち外からの刺激をふせぐ肌のしくみ

バリア機能
写真: Salsero35 / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

しくみ

皮膚のいちばん外側の角層は、角質細胞が重なり、その間をおもにコレステロール・遊離脂肪酸・セラミドの脂質が層状に満たしています。van Smeden らの総説(2016)は、脂質の層が水分の蒸発と外からの侵入をふせぐと述べます。角層の天然保湿因子(NMF)はアミノ酸などが主で、水分を抱えます(Hoffman ら 2014)。皮膚バリアは物理・化学・微生物・免疫の4層で整理されます(Rajkumar ら 2023)。

セラミド
セラミド写真: Zyirkon (talk) / Public domain

スキンケアとの関わり

洗浄料の界面活性剤は、洗うときに皮膚の成分を抜き取り、すすいだあとも角層に残って構造を乱すことがあると Walters らの総説(2012)は述べます。バリア機能が低下すると水分が逃げやすくなり、乾燥や刺激を感じやすくなるため、スキンケアではうるおいを補い、皮膚をすこやかに保つことが基本です。赤みやかゆみなどの症状が続く場合は、セルフケアだけで済ませず皮膚科を受診することもすすめられています。

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敏感肌さん必見!バリア機能を高める方法を教えます!

バリア機能の状態を見る目安

皮膚科の診療では、肌の表面から水分がどれくらい蒸発するか(経表皮水分蒸散量)を、バリア機能の状態を見る目安のひとつとして扱うことがあります。角層のすき間が乱れているほど水分は蒸発しやすくなるため、蒸発量が多い肌はバリア機能が低下していると考えられ、蒸発量が少ない肌は保たれていると考えられています。

入浴と洗浄の仕方

熱いお湯に長く浸かると、角質細胞どうしをつなぐ物質がこわれやすくなるといわれており、湯温は41度以下、入浴時間は15〜20分程度を目安にする考え方が紹介されています。洗浄料は、つけてもつっぱらない弱酸性のものや添加物の少ないものを選び、ゴシゴシこすらずに洗うこと、入浴後はタオルで押さえるように水分を拭き取ることがすすめられています。

保湿はタイミングも大切

角層の状態を整える基本は保湿とされ、なかでも入浴後30分以内に、水分を保つ成分を含んだ化粧水や乳液・クリームでしっかりと保湿することが大切だと紹介されています。

室内環境や生活習慣との関わり

室内の湿度をおおむね40%以上に保つこと、こまめな水分補給、適度な運動で汗をかく習慣、十分な睡眠や食事、ストレスの管理といった生活習慣も、角層のターンオーバーやうるおいの保持に関わるとされています。

出典: はなふさ皮膚科17院 花房火月のチャンネル(YouTube)で動画を見る ▶

出典

  1. 論文・英語 van Smeden J, Bouwstra JA(2016) Stratum Corneum Lipids: Their Role for the Skin Barrier Function in Healthy Subjects and Atopic Dermatitis Patients
  2. 論文・英語 Hoffman DR, Kroll LM, Basehoar A, Reece B, Cunningham CT, Koenig DW(2014) Immediate and extended effects of sodium lauryl sulphate exposure on stratum corneum natural moisturizing factor
  3. 論文・英語 Rajkumar J, Chandan N, Lio P, Shi V(2023) The Skin Barrier and Moisturization: Function, Disruption, and Mechanisms of Repair
  4. 論文・英語 Walters RM, Mao G, Gunn ET, Hornby S(2012) Cleansing formulations that respect skin barrier integrity

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