肌の科学図鑑 | オトモマッスル

皮脂と汗が混ざり肌表面を覆う薄い膜、乾燥や刺激から守ります

皮脂膜
写真: OpenStax College / CC BY 3.0(Wikimedia Commons)

しくみ

皮脂膜は、皮脂腺の皮脂に表皮由来のわずかな脂質と汗が混ざり、水と脂質が乳化して肌の表面を覆う薄い膜です。肌表面が弱酸性なのは皮脂の脂肪酸と汗の乳酸のためと松尾らの総説(1988)は説明し、330人の前腕を測った研究では自然なpHが平均4.7と見積もられています(Lambers ら 2006)。額の皮脂は前腕より多く、13〜70歳では男性が同年代の女性より多い(Man ら 2009・中国の713人)。

スキンケアとの関わり

松尾らの総説は、皮脂膜に肌表面からの水分蒸発を抑える働きがあると述べます。日本皮膚科学会の手引き(2021)は、細胞間脂質と天然保湿因子による水分保持と、皮脂と汗の乳化物による表面の被覆の両方が乾燥から肌を守ると述べます。脱脂作用の強い洗浄料や擦り洗いで皮脂膜を落としすぎると、肌が乾燥しやすくなることがあります。赤みやかぶれなどの症状が続く場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。

解説動画

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後藤美由紀

の解説動画

皮膚構造の基礎【真皮のリンパ管、皮脂膜、皮下組織】【♯75】

皮脂膜をつくる3つの材料

皮脂膜は、毛穴にある皮脂腺から出る皮脂と、汗腺からの汗、角層でつくられるわずかな脂質が混ざり合ってできる膜として紹介されています。皮脂は毛穴から出たあと角層の表面に広がり、水分が蒸発するのを防ぎながら肌のうるおいを保つ助けになっているとされています。

皮脂の量は年齢や気温で変わる

皮脂の分泌量は気温が高くなると増える傾向があり、思春期以降から20代にかけて特に増加し、その後は年齢を重ねるとともに緩やかに減っていく傾向があると説明されています。額や鼻まわりなど皮脂腺が集まりやすい部位ほど分泌量が多くなりやすいことにも触れられています。

皮脂膜がになっているいくつかの役割

皮脂膜の役割として、肌表面からの水分の蒸発を防ぐこと、肌のなめらかさや柔軟性を保つこと、外部からの刺激となりうるものが直接触れるのを防ぐ助けになること、肌表面を弱酸性に保つことなどが挙げられています。天然の保湿膜のような存在として位置づけられている点が特徴です。

皮脂は多ければよいわけではない

皮脂はうるおいを守るために欠かせないものである一方、量が多すぎると肌が汚れやすくなったり、刺激を感じやすくなったりする場合があるとも述べられています。皮脂膜は肌を守る働きを持ちながら、量のバランスが大切だという見方が示されています。

出典: 後藤美由紀(YouTube)で動画を見る ▶

出典

  1. 論文 松尾聿朗, 犬飼則子(1988) 皮表脂質の生理的役割
  2. 公的機関 日本皮膚科学会 皮脂欠乏症診療の手引き作成委員会(2021) 皮脂欠乏症診療の手引き2021
  3. 論文・英語 Lambers H, Piessens S, Bloem A, Pronk H, Finkel P(2006) Natural skin surface pH is on average below 5, which is beneficial for its resident flora
  4. 論文・英語 Man MQ, Xin SJ, Song SP, Cho SY, Zhang XJ, Tu CX, Feingold KR, Elias PM(2009) Variation of skin surface pH, sebum content and stratum corneum hydration with age and gender in a large Chinese population

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