選曲と場づくり図鑑
原曲キーと自分の音域(自分に合う曲を選ぶ)
原曲の高さと自分の出せる幅の関係。曲が作られたときの高さが原曲キーで、自分が無理なく出せる高さの幅が音域です。サビの最高音が上限より上にあると、声帯を引き伸ばしきったところで支えが外れ、その一か所だけ裏返ります。歌えるかどうかはうまさより高さの相性で決まる部分が大きく…
キーを変える(自分に合う曲を選ぶ)
曲の高さを自分に合わせて上げ下げする。メロディ全体を半音ずつ上下させる操作です。曲の形はそのままで高さだけが動くため、サビが届くようになる代わりに低い部分も同じだけ下がります。男性が女性の歌う曲を選ぶときはマイナス4から5、その逆はプラス4から5あたりを出発点にする人が多い、という程度の目安です。
練習に向く曲の条件(自分に合う曲を選ぶ)
うまくなるための一曲を選ぶ基準。好きな曲と、練習になる曲は別物です。向いているのはテンポが中くらいで音の跳び方が小さい曲。息継ぎの場所がはっきりしていて、同じ形のメロディが何度も出てくるものは、歌うたびに直す場所が同じになるので身につくのが早くなります。逆に転調や早口の多い曲は…
高い曲が出ないときの対処(自分に合う曲を選ぶ)
サビの高さに届かないときの選択肢。高い音が出ない原因は音域の限界だけではありません。力みで喉が締まる、息の支えが足りない、単に体が温まっていない、という日ごとの理由も混ざります。半音一つか二つの差なら、届く日と届かない日に分かれるほうが普通で、限界そのものは数か月かけないと動きません。まず今日の条件を疑ってください。
好きな曲と歌える曲は違う(自分に合う曲を選ぶ)
聴いて好きな曲が歌える曲とは限らない。聴いて好きになる要素と、自分の声で成立する要素は別々に動きます。好きな曲は声も音域も作った人のもので、真似しても同じにはならないものです。歌える曲は、息が続き、音が届き、聞く側が言葉を拾える曲のこと。両方が重なる曲は思っているより少ないと考えておくと落ち込みません。
声質に合う曲の探し方(自分に合う曲を選ぶ)
自分の声の質から曲を絞っていく道すじ。声の太さや明るさは、声帯の長さと厚みと、喉から口までの空間の広さでおおよそ決まります。そのためよく鳴る高さが人ごとに違い、そこへ収まる曲は音域が同じでもはっきり楽に聞こえます。息の混ざった声、芯のある声、鼻によく響く声では似合う曲が変わるので…
1曲目に入れる曲(場面で選ぶ)
まだ温まっていない喉で歌う最初の一曲。最初の1曲は、まだ喉が温まっていない状態で歌うことになります。声帯まわりの筋肉は動き出しに時間がかかる性質で、入室から10〜15分は高い音が届かず、音程も揺れやすい時間帯です。1曲目は同時に、部屋のエコーの深さと音量が自分の声に合うかを確かめる場でもあり…
盛り上げたいとき(場面で選ぶ)
場の温度を上げる曲の選び方と歌い方。場の温度を上げる役は、歌のうまさよりテンポと知名度でほぼ決まります。1分あたり120〜140拍前後の速さがあって、サビで全員が同じ言葉を口ずさめる曲なら、音程が多少ぶれても場は持ちます。逆に技術の見せ場が多い曲は聴く側が黙って見守る形になりやすく…
落ち着かせたいとき(場面で選ぶ)
上がりきった場を一度静める役の曲。上がりきった場をそのまま走らせると、終盤には全員が疲れて散っていきます。速い曲が3〜4曲続いたら、テンポを落とす役が要ります。ここで入れる一曲は目立つためではなく、次の盛り上がりに向けて全員の息をそろえ直すための時間です。飲み物を頼み直したり会話が生まれる余白にもなり…
締めの曲(場面で選ぶ)
その日の後味を決める最後の一曲。最後の1曲は、その日全体の後味と満足度を決めてしまいます。残り時間が読めていないと途中で音が切れ、気まずいまま解散になります。多くの店では終了の10分ほど前に案内が入るので、そこから逆算して誰が何を歌うかを決めておくと慌てません。締めはうまい人が歌う必要もなく…
デュエット(人と歌う)
二人で分け合って歌うときの決めごと。1曲を二人で分け合って歌う形です。多くは男女で音域を分ける作りになっていて、どちらかに高くて苦しい場所が回ってくるのが普通です。掛け合いの部分は相手の声が聞こえていないと自分の音程まで引っぱられるので、歌い出す前に二本のマイクの音量をそろえます。…
ハモリを入れる(人と歌う)
主旋律に別の音を重ねて厚みを出す。主旋律の上か下に、3度ほど離れた音を重ねることです。上に置くと華やかになり、下に置くと厚みと落ち着きが出ます。ぴたりと合えば二人の声が一本の太い音に聞こえ、少しでもずれると濁って耳につきます。合唱の経験がなくてもサビの数小節なら届きますが…
世代の違う相手と歌う(人と歌う)
知っている曲が重ならない相手との歌。相手と10歳ちがえば、知っている曲の重なりは驚くほど小さくなります。自分の定番が、相手には一度も耳にしたことのない曲ということが普通に起きます。この場面では歌のうまさより、相手が口ずさめるかのほうが居心地を左右します。世代をまたいで残った曲は数がかぎられると考えておきます。
知らない曲を聴く側のふるまい(人と歌う)
人の歌を聴いている時間の過ごし方。カラオケで過ごす時間の半分以上は、人の歌を聴く側にいます。知らない曲だと手持ち無沙汰になりますが、聴き方ひとつで部屋の空気は変わります。歌っている人は反応のあるなしを思った以上に見ていて、そこで返した小さな相づちや拍手が、自分が次に歌うときの入れやすさに返ってきます。
予約の入れ方(場を回す)
端末から曲を送って待ち行列に並べる手順。選曲端末から曲を送ると、部屋の待ち行列にうしろから並びます。今の演奏が終われば自動で次が流れ、入れた順がそのまま歌う順です。誰が入れたかは画面に出ないことが多く、予約リストの曲名だけが共有情報になります。何曲たまっているかも、その一覧で全員が見られます。
順番と間の取り方(場を回す)
歌う順の回し方と曲間の空気のつくり方。順番そのものは予約の並びで機械が決めるので、人が気を配るのは曲と曲のあいだです。拍手も言葉もないまま次のイントロが鳴ると、歌い終わった人が置き去りになります。逆にここで一言あるだけで、次の曲を入れやすい部屋に変わります。歌の出来とは別の話です。
音量とエコーの共有設定(場を回す)
部屋で1つの音を全員で分け合う考え方。マイクの音量とエコーは部屋にひとつだけの設定で、全員がそれを共有します。自分に合わせて上げたまま渡すと、次の声の小さい人には大きすぎる音量で回ります。エコーは声の輪郭をぼかすので、深いほど気持ちよく聞こえる一方、発音や音程のあらも一緒に消えます。
時間配分(場を回す)
残り時間から歌える曲数を逆算する。部屋の残り時間に何曲入るかの見積もりです。1曲は4〜5分なので、2時間の部屋でも演奏だけで24曲前後、会話や注文をはさむと実際は20曲ほどに落ち着きます。4人なら1人5曲、6人なら3曲強しか回りません。延長の受付は終了の10分前後という店が多いです。