練習に向く曲の条件

自分に合う曲を選ぶ

場面: ひとりで

練習に向く曲の条件は、うまくなるための一曲を選ぶ基準。

何の話?

好きな曲と、練習になる曲は別物です。向いているのはテンポが中くらいで音の跳び方が小さい曲。息継ぎの場所がはっきりしていて、同じ形のメロディが何度も出てくるものは、歌うたびに直す場所が同じになるので身につくのが早くなります。米国の大学の実験では、速いテンポほど、また下降するフレーズほど音程がずれやすいと分かりました。逆に転調や早口の多い曲は、直したい一点にたどり着く前に終わってしまいます。

どうするか

候補を通しで一度歌い、息が続かない場所と音が外れる場所を数えます。合計三か所以内なら練習曲として使えます。多すぎる曲は課題が散って伸びません。決めたら二週間は同じ曲を回し、その間はロングトーンなど一つの技だけを意識します。週に二回でも、同じ曲なら前回との差が自分で分かります。中国の学校の歌唱データでは、最初は6割台だった正確さが30回の繰り返しで7割ほどまで上がったと報告されています。

つまずくところ

難しすぎる曲を選ぶと、練習ではなくできない確認の繰り返しになります。逆に簡単すぎる曲は直す場所が無く伸びません。飽きは正直な信号なので、三回続けて退屈なら替えどきです。声が変わるのは数か月単位で、一日で結果を求めると続きません。伸びは録音を並べて比べると見えてきます。同じ研究では、高い音のほうが低い音より正確さが低いとも分かっており、高い曲ばかり練習曲に選ぶと数字は伸びにくくなります。

出典

  1. 論文・英語 Bottalico P・Graetzer S・Hunter EJ/Journal of Voice(ミシガン州立大学)(2017) Effect of Training and Level of External Auditory Feedback on the Singing Voice: Pitch Inaccuracy
  2. 論文・英語 Wei J・Wang B・Dong S/Frontiers in Psychology(2026) Cognitive and skill acquisition trajectories in school-based music education: evidence from Chinese classrooms