天体観測
集める・巡る
肉眼で見えていた点が、輪を持った土星になる
どんな趣味?
暗いところで目を慣らし、星図と見比べながら、今夜そこにあるはずのものを探します。望遠鏡を向けて月のクレーターの影が日ごとに伸び縮みするのを見たり、土星の輪や木星の縞と衛星の並びを確かめたり。見えた瞬間そのものより、自分の手で導入できたときの手応えが大きい趣味です。冬は寒さとの我慢比べにもなります。
始めるのに要るもの
いきなり望遠鏡を買う必要はありません。最初の一台は倍率七倍から十倍の双眼鏡で、1万円前後から手に入り、月のクレーターと木星の衛星、すばるの粒までは十分に見えます。入門用の望遠鏡は3万〜5万円程度、架台のしっかりしたものは10万円を超えます。星図アプリは無料のもので足ります。
最初の一歩
今週末は、月が細い夜を選び、双眼鏡を持って近所の公園か河川敷へ出てみてください。街灯を背にして十分ほどじっと待つと目が暗さに慣れ、見える星の数が変わります。まずは月と、いま出ている明るい惑星をひとつ導入するだけで十分です。満月に近い夜は月明かりで暗い星が見えにくくなるので、行く日付は月齢で決めます。
続けるとどうなるか
続けると、季節ごとにどの星座がいつ南に来るかが体に入り、月齢と天気予報を見て今夜は行けると判断できるようになります。そこから先は、より暗い空を求めて標高の高い場所へ通うか、カメラを載せて撮影に進むかの二択で、後者は赤道儀と画像処理の世界に入ります。キャンプや写真と組み合わせる人が多い趣味です。
向き不向き・注意
夜間の屋外は寒さが本番で、冬は日中の予報より体感がはるかに低く、防寒を軽く見ると三十分でやめたくなります。暗い場所は足元も危ないうえ、私有地への進入や路上駐車は通報の元です。人家の近くで長時間じっとしているのも避けてください。天気に完全に左右され、予定した日に一度も晴れない月もあります。機材は架台と光学系に手を出すと十万円単位で伸び、道具沼にはまる典型でもあります。
解説動画: 低倍率の星空双眼鏡が星を増やす仕組みと使い勝手/星空ガイドが語る宇宙の話
概要: 出かけた先で思いがけずよい星空に出会った時のために、小型で持ち運べる低倍率の双眼鏡を紹介する。裸眼より多くの星が見える理由を星の数で説明したうえで、実機を開封して作りや調整部分を確かめ、ストラップの正しい付け方、そして実際に夜空を見た感想までを話す。
見える星が増える仕組み: 星は距離に関係なく明るさだけで見えるかどうかが決まると説明する。裸眼で見えるのは条件がよくておよそ3000個。全天の星数は1等星が21個、3等星まで278個、5等星まで2988個で、6等星まで届けば倍以上、7等星までなら8倍以上の2万4千個台に増える。天体望遠鏡ならさらに暗い星まで見えるが、視野が狭くて一度に見える星が少なく、すぐ用意できないという弱点があるとしている。
機材の特徴: 取り上げているのは倍率2倍・実視野36度・重さ384gの星空双眼鏡。以前使っていた口径40mm・倍率2.3倍の機種と比べ、同じ明るさのまま3割近く広く見渡せるという。口径が54mmになったことで各種フィルターを直接取り付けられるようになった。眼幅は58mmから78mmまで調整でき、レンズに色が付いていないので星の色をそのまま見られる。視度調整は左右独立で、やや固く移動中にピントがずれない。
注意点: ストラップは付け方を間違えると首にかけている時に抜けて落ち、本体を壊すので、向きが重要だと強調している。接眼側が体から離れ、対物側が体に近くなる向きが正しい。取り付けは、プラスチック部品に通っている内側の帯だけを抜き、大きいレンズ側から小さいレンズ側へ本体の取り付け部に通し、元通りに部品へ戻す。通した先端は少し余裕を残しておく。
使ってみて: 昼間は倍率が2倍なので裸眼とほとんど変わらず、明るさが増した実感もない。晴れた夜に持ち出すと、明るい星の周りにそれまで見えていなかった星が次々に現れたという。前情報なしで覗いた同行者も、裸眼との差に驚いていたと話す。車に常備しておけば偶然の星空にもすぐ対応できる手軽さが、天体望遠鏡にない魅力だとまとめている。