昆虫採集
集める・巡る
同じ木に、去年と同じ時刻に来ている
どんな趣味?
昼は網を持って草地を掃くように振り、夜は樹液の出る木を懐中電灯で見て回ります。狙って採ろうとすると、出てくる時刻と天気と木の種類がすべて条件になっていることが分かってきます。持ち帰った個体は標本にするか、種類を記録して逃がす。子どもの頃と違うのは、名前と生態を突き止めるところまでが一回という点です。
始めるのに要るもの
捕虫網が1,500〜3,000円程度、一時保管の容器は身近な保存容器で代用でき、地域の昆虫図鑑が2,000円前後。これだけで始められます。標本にするなら展翅板や展足の道具と針、防虫剤を合わせて5,000円ほど。夜の樹液まわりはヘッドライトがあると両手が空き、格段に楽になります。
最初の一歩
今週末は、雑木林の残る里山か、大きめの公園の林縁へ午前中に行ってみてください。クヌギやコナラの幹を一本ずつ見て回ると、樹液に集まる虫の顔ぶれが分かります。草地では網を左右に振って中身を確かめるだけでも十種類は入ります。写真を撮って場所と日時を記録しておけば、標本にしなくても記録として残ります。
続けるとどうなるか
一年回すと、同じ場所に同じ時期、同じ時刻に同じ虫が来ることが分かり、季節の進み方を虫で読むようになります。次はグループを一つに絞る段階で、甲虫なら甲虫だけ、蛾なら蛾だけを追い始め、地域の分布や食草まで踏み込みます。標本が増えれば置き場所を先に決める必要が出て、写真で残す方向へ切り替える人もいます。
向き不向き・注意
まず場所です。国立公園や自然保護区、天然記念物の指定地、私有地や社寺の林での採集には制限や禁止があり、種によっては捕獲や譲渡が法令で規制されています。入る前に管理者と所管の最新情報を確認してください。夏の林にはスズメバチ、マダニ、マムシがいて、長袖と長靴、虫よけが要ります。夜間の単独行動も足元が見えず危険です。標本は放っておくと害虫に食われて全滅するので、防虫の手間が続きます。
解説動画: キットを使ったチョウの展翅と標本づくりの手順/エコムプロダクト
概要: 市販の標本製作キットを使い、チョウの標本を作る流れを最初から最後まで見せる。道具の確認から羽の広げ方、展翅、乾燥、ラベル書き、標本箱へ移すところまでを扱う。小学生でも作れる内容として説明され、同じやり方でカブトムシやトンボの標本も作れるとしている。
使う道具: キットに入っているのは昆虫針、虫ピン、ピンセット、二種類の展翅板、展翅テープ、ラベル。昆虫針は虫の体に刺すためのもので、展翅板は溝の入った面を使う。展翅テープは羽を押さえるために展翅板とセットで使い、ピンセットと柄付き針で触角や脚の形を整える。柄付き針は先がとても鋭いので扱いに注意するよう繰り返している。
手順: まずピンセットで羽の付け根をやや強く挟むと羽が開く。羽はとても壊れやすいので手で直接触らない。背中側からまっすぐ昆虫針を刺し、前と横から見て曲がっていないか確かめる。展翅板の両側にテープを敷き、先を折り曲げて虫ピンで留めておく。針を刺したチョウを溝にまっすぐ差し込み、板の高さに羽をそろえてテープをかぶせる。柄付き針を羽の筋に引っ掛けて広げ、動かないよう周りに虫ピンを刺して固定する。
やりがちなミス: 筋のないところは破れやすいので、そこに針を引っ掛けない。固定用の虫ピンは羽の周りに刺し、羽そのものには刺さないようにする。テープからはみ出した羽は、小さく切ったテープで覆って押さえる。触角も折れやすいので最後に慎重に整える。腹が下がってこないよう、お腹の下にティッシュや綿を当てて支えておくのも忘れない。
乾燥とラベル: 形が整ったら日陰の風通しのよい場所で2週間から3週間乾かす。その間にラベルを書いておく。捕まえた場所、日付、捕まえた人の名前は標本づくりでとても大切で、自分だけのメモではなく誰が見ても分かるように書くよう強調している。研究にとって重要な情報だからだという。乾いたら脚や触角を折らないよう虫ピンを外し、ラベルを付けて標本箱に移せば完成。