御朱印集め
集める・巡る
墨が乾くまでの数分、境内の音だけを聞く
どんな趣味?
神社やお寺に参拝したあと、社務所や納経所で御朱印帳を預け、墨書と朱印を入れてもらいます。筆が走る数分はただ待つだけですが、その時間のために境内を一周し、由緒書きを読むことになります。帳面が埋まるほど、訪ねた順に季節と土地が並ぶ一冊になり、旅の記録そのものに変わっていきます。
始めるのに要るもの
要るものは1,500〜3,000円程度の御朱印帳と、一体につき300〜500円程度の初穂料や納経料、それに小銭だけです。帳面は寺社の授与所のほか、文具店や書店でも扱っています。ちょうどの小銭を用意しておくと受付で慌てません。一日に二、三か所を回っても千円台で収まる、負担の軽い部類の趣味です。
最初の一歩
今週末は、自宅から電車やバスで行ける範囲の神社仏閣をひとつ選び、御朱印帳を持って出かけてみてください。授与所の窓口で扱いの有無を確かめ、先に参拝を済ませてから帳面を出します。書き置きのみの寺社や、授与を行っていない寺社もあります。片道三十分の近所の一社で十分で、いきなり有名な寺社を目指す必要はありません。
続けるとどうなるか
半年も続けると、字の勢いや印の意匠に寺社ごとの個性があることが見えてきます。同じ宗派で共通する言葉、季節限定の重ね印、霊場や七福神をまとめて巡る札所の仕組み。やがて御朱印を軸に旅程を組むようになり、遠方の寺社を目当てに一泊するようになります。城めぐりや温泉めぐりと行き先が重なるのもこの頃です。
向き不向き・注意
御朱印はスタンプラリーの景品ではありません。参拝せずに列だけ並ぶ、書き手を急かす、授与所を撮影するといった振る舞いは、断られる原因になります。書き置きのみ、授与を休止中、時間帯で受付終了という寺社も珍しくなく、遠方まで行って空振りになることがあります。集め始めると交通費と宿泊費が本体を大きく上回り、月の出費が読めなくなります。移動費と時間を先に見積もっておくと安心です。
解説動画: 住職が語る御朱印集めの作法と最初の一冊の選び方/かんちゃん住職〔Kankyo Tanikawa〕
概要: 御朱印とは何かという説明から、いただく時に守る作法、そして長く続けるための工夫までを住職が順に話す。御朱印は神社やお寺の参拝の証明で、参拝した日付と寺社の名、神仏の名前が記されるものだと説明している。始める前に知っておきたい最低限のことを三つに絞って解説し、最後に楽しみ方をもう一段深める話を足す構成になっている。
御朱印の由来: ルーツには諸説あるが、平安時代に始まった西国三十三所の巡礼が原点とも言われると紹介している。もとは写経を納めた証として朱印をいただくもので、寺では今も納経印・納経帳と呼ぶ。神社では御朱印・御朱印帳と呼び分けるが、どちらも中身は参拝の証明で同じものだとしている。江戸時代後期にお伊勢参りや巡礼が流行し、参拝の証が庶民に広まっていったと説明する。
最低限の注意点: 一つ目は御朱印帳を必ず持参すること。ノートや手帳には書いてもらえない。寺社のほか書店や雑貨店、通販でも買えるが、扱いのない寺社もあるので事前確認を勧めている。二つ目は先に神仏へお参りしてからいただくこと。書き手が不在で書き置きになることもあるが、文句を言ったり書き方を注文したりしない。三つ目は小銭の用意で、奉納金は300円から500円が目安。お釣りが出ない形で納めるのがよいとしている。
続けるには: 最初の一冊は、近所の氏神様や菩提寺など縁のある寺社で表書きと一ページ目を書いてもらうとよいと勧めている。そのうえで、集める目的を決めておくと楽しさが増すとも話す。特定の神仏、願い事、エリア、好きな武将ゆかりの地など自分の軸で巡れば、その一冊は自分だけのものになり、後から見返す時にもまとまっていて便利だという。目的別と、それ以外用の二冊を分けて持つ形も提案している。