野鳥観察
集める・巡る
見ようとした途端、いた鳥の数が増える
どんな趣味?
双眼鏡を持って公園や河川敷をゆっくり歩き、動くものと鳴き声を頼りに探します。先に声で気づき、あとから姿を見つけるのが基本で、耳の趣味でもあります。羽の模様や嘴の形、足の色を確かめて図鑑と照合し、名前が分かった瞬間、その鳥は景色の一部から一羽の個体に変わります。歩くのは一時間ほどでも十分に成り立ちます。
始めるのに要るもの
必要なのは双眼鏡と図鑑だけです。八倍で口径四十ミリ前後のものが標準で、1万〜2万円程度の入門機で不足はありません。安すぎる玩具の双眼鏡は像がにじんで鳥の識別ができず、結局買い直しになります。図鑑は2,000円前後の持ち歩ける判型を一冊。服は目立たない色にしておくと近づけます。
最初の一歩
今週末の早朝、日の出から二時間が最も鳥の動く時間なので、近所の大きめの公園か川沿いを双眼鏡を持って歩いてみてください。池のある公園なら、水鳥はすぐには逃げないので観察の練習になります。名前が分からなくても、大きさ・色・くちばしの形をメモして帰り、図鑑で照合するところまでが一回です。
続けるとどうなるか
半年も通うと、近所でよく見る十数種は声だけで見当がつくようになります。すると季節の見え方が変わり、いつ渡りの群れが通るか、どの木にどの鳥が来るかが予測になります。そこから干潟や山地へ足を延ばし、一年で何種類に出会えたかを数えるようになる人もいます。残すなら記録をつけるが効き、写真へ広がるのも自然な流れです。
向き不向き・注意
鳥に近づきたくなるほど、営巣中の巣への接近や、餌付け、鳴き声を再生して呼び寄せる行為に傾きがちですが、繁殖の妨げになり、現地でも禁じられていることがあります。野鳥の捕獲や飼育、卵の採取は法令で規制されていますので、所管する行政の最新の案内を確認してください。撮影のために私有地や農地へ入るのも避けます。双眼鏡や望遠レンズは上を見れば際限がなく、活動が早朝に偏るため、早起きが苦にならない人向けです。
解説動画: はじめの双眼鏡の選び方と鳥を視野に入れるコツ/亜璃西社
概要: 観察に出る前に用意する双眼鏡の条件と、フィールドでどこに目をつけるか、双眼鏡に鳥を入れる練習の仕方を、二人の対話形式で話す。前半は倍率と値段の選び方に時間を割き、後半は歩き方と視野への入れ方に移る。鳥だけに絞らず周りの自然も一緒に見るという楽しみ方も勧めている。
選び方: 推奨されている倍率は8倍で、それより上げると視野が極端に狭くなり動く鳥を入れられない。大きく重い双眼鏡は結局持ち出さなくなり、首も疲れるので入門者向きではないとしている。値段は千円台のものから20万、30万円のものまであるが、安すぎるものは像がぶれて目が疲れる。日常的に持ち歩けるコンパクトなもので、3万円前後から始めて、慣れたら上げていくのがよいという。
話し手が使っている一台: 手元の機種は6.5倍で、そのぶん視野が広い。遠くだけでなくごく近くの物にもピントが合うのが特徴で、しゃがまずに足元の小さな草花や虫まで見られる。眼鏡使用者向けの目当てや三脚穴も備え、価格は1万円台で見つかることもあるという。ただし作りは壊れやすく濡れにも弱い。鳥に専門化せず、木や花や虫も一緒に見てほしいという考えから勧めている。
鳥を見つけるコツ: 歩く時に見る場所を絞る。池の水面、川岸や池のほとりの石の上、葉の落ちた枝先、林のてっぺん、そして地面。この辺りを意識していそうな場所を予想しながらゆっくり歩くと出会いの確率が変わるとしている。歩いたけれど鳥はいなかったという人は、たいてい漫然と歩いているだけだと指摘し、目と耳を使って気配を探ることを勧めている。
双眼鏡に入れる練習: 鳥を見つけたら目を離さず、そのまま双眼鏡を目に当てるのが基本で、視線をずらすと見失う。慣れないうちは幹など大きく目立つ物をまず視野に入れ、枝をたどって上へ移動していくやり方が確実だとしている。観察会でガイドが幹から上へ、最初の枝を右へ、と誘導するのと同じことを自分でやればよいという。上達には回数が要るので、鞄に入る小さな双眼鏡を常に持ち歩くよう勧めている。