鉱物・石集め

集める・巡る

何億年かけて育った形が、手のひらに収まる

どんな趣味?

拾ってきた石や買い求めた標本を、家で洗い、割り、ルーペで覗いて素性を調べる時間が中心です。結晶の面はどれも決まった角度で交わり、その規則正しさが誰の手も入らずにできたものだと思うと妙な気分になります。産地と鉱物名を紙に書いて箱に納め、並べ替える。名前が分かるまでの数日が、いちばん面白いところです。

始めるのに要るもの

最初に買うのは十倍のルーペで1,000〜3,000円程度、あとは仕切りのある小箱と、産地を書く紙だけです。標本自体は鉱物のイベントや専門店で数百円から手に入り、入門の図鑑が2,000円前後。粉にすると出る本当の色を見る条痕板や、石を割るハンマーは、必要になってからで十分です。

最初の一歩

今週末は、自然史や地学を扱う博物館の鉱物展示を見に行くのが確実です。実物の大きさと色を目で覚えてから買うと、写真との落差で失敗しません。近くで鉱物の即売イベントがあれば、千円以内の小さな標本を二つ三つ選んでみてください。近所の川の河原で石を拾って割ってみるだけでも、同じ川で採れる石の種類は数えるほどだと分かります。

続けるとどうなるか

続けると、石の名前よりどの地質でどう出来たかに興味が移ります。同じ鉱物でも産地ごとに形の癖が違うこと、火山と熱水と堆積で顔ぶれが変わること。そこまで来ると地質図を読むようになり、地図・地理や登山と重なってきます。標本箱は必ず増えるので、早い段階で置き場所を先に決めるほうが安全です。

向き不向き・注意

採集は場所を選びます。国立公園や天然記念物の指定地、鉱山跡、私有地での採取は禁じられている場合があり、鉱業権や自治体の条例も関わりますので、入る前に管理者と所管の最新情報を確認してください。廃坑や崖下は落石と崩落の危険があり、単独では立ち入らないでください。買う側にも産地不明の標本や人工的に作られた石が高値で流通することがあります。数が増えると重さと置き場所が効いてきます。

解説動画: 日本でも採れる宝石と産地、立ち入りの注意/JEWELRY SQUARE 公式YouTube

概要: 世界の鉱物は約5000種、そのうち日本で採れるのが約1000種という前置きから、国内で産出する宝石を種類ごとに挙げていく。日本ではダイヤモンドが採れない理由も説明し、地下150kmより深くで生まれた石をマグマが地表近くまで運ぶ必要があるのに、日本は比較的新しい地殻の上にあってマグマが浅いためだとしている。2007年に愛媛で1000分の1mmという極小のダイヤが見つかった例だけ挙げている。

採りに行く前の注意: 国内で採れると聞いて行ってみたいという人に向けて、現在は立ち入り禁止になっている場所も多いと釘を刺している。出かける前に必ずその場所の管理者へ確認し、許可を得るようにと促す。産地の名前を知ることと、そこへ入っていいかは別だという順番を強調したうえで、誰でも拾える海岸のような例外も紹介している。

ヒスイと水晶: ヒスイは日本の国石で、新潟県糸魚川市が有名。富山にはヒスイ海岸と呼ばれる誰でも拾える世界的にも珍しい海岸があり、兵庫、鳥取、静岡、群馬、岡山、熊本などでも産出する。水晶は全国各地で採れるが、甲府は採掘の歴史が古く宝石の街としても知られる。二つの結晶が84.3度で接合した日本式双晶は形が独特で、江戸時代にはメガネに加工されることもあったという。

その他の宝石: ガーネットは比較的見つけやすく、レインボーガーネットが知られる。和名をバラ輝石という石は愛知でトップクラスの原石が採れる。ロードクロサイトは南米が主産地だが北海道でも良質なものが出て、縞模様がベーコンに似ることからベーコンストリップとも呼ばれる。トパーズは岐阜が有名な産地で、日本産は黄色より透明なものが多い。オパールは世界の9割以上がオーストラリア産で、日本では岐阜などで遊色のないタイプが採れる。

宝石品質は少ない: これだけの種類が国内で採れる一方、宝石品質と言えるものはほんの少ししか採れないと繰り返している。糸魚川で採れる希少石も宝石品質には届かず、奈良の川で採れるサファイアは研磨も難しいほどの極小サイズ。それでも宝石や鉱物が好きな人にとってはロマンを感じられると締めている。