城めぐり
集める・巡る
石垣の積み方一つで、築いた時代が読める
どんな趣味?
天守の中を見るだけの趣味ではありません。堀の形、石垣の積み方、門をくぐった先で必ず折れる通路。攻める側の目線で歩くと、通り道そのものが敵を足止めする仕掛けだったことが見えてきます。天守が現存するのは全国で十二城にすぎず、多くは石垣と土塁だけの城跡ですが、地面の起伏を読むほうがむしろ面白いという人は少なくありません。
始めるのに要るもの
特別な道具は要りません。石垣と土塁だけの城跡は無料のところが多く、天守や資料館の入場は数百円から1,000円台が中心です。ただし有名な城は2,000円を超えることがあり、居住者とそれ以外で料金を分ける城も出てきましたので、行く前に公式の案内で確かめてください。あとは歩きやすい靴で、城跡は坂と階段が続き、天守内部の階段は板張りで急です。城郭の入門書を一冊1,500円前後で買うと、目の前の石垣の意味が分かってきます。
最初の一歩
今週末は、自分の住む県内の城跡をひとつ調べて行ってみてください。天守が無くても構いません。着いたら本丸へ直行せず、大手門から順に、攻め手が歩いた道筋をなぞります。現地の説明板と、資料館や公民館に置かれている縄張り図を見比べると、ただの土の盛り上がりが土塁だったと分かります。半日あれば一城は回れます。
続けるとどうなるか
十城も回ると、石垣の石の大きさと積み方だけで築かれた年代の見当がつくようになります。野面積みから打込接、切込接へという流れが目で追えるからです。そこまで来ると、天守のある城より山の中の遺構だけの城跡のほうが面白くなり、藪をかき分けて堀切を探すようになります。歴史の本の読み方も変わり、登山の装備をそろえる人もいます。
向き不向き・注意
山城は装備の要る登山と変わらない所があり、夏はマムシやマダニ、スズメバチに気を配る必要があります。長袖と足元の備えは欠かせません。石垣に登る、立入禁止の区域へ入るといった行為は崩落や文化財の毀損につながります。史跡での掘削や採取には法令や条例による制限がありますので、現地の掲示と自治体の最新の案内を確認してください。遠方が増えるほど移動費と時間が費用の本体になります。
解説動画: 空撮でたどる日本の名城十選と天守の見どころ/【日本人の教養・雑学】フタマルシンゴ
概要: 空から撮った映像に合わせて、全国の名城を一城ずつ短く解説していく。世界遺産や国宝の城から、天守が失われて跡だけが残る城まで十城を取り上げ、築城の経緯・現存する建物・見学できる場所を要点だけ挙げる構成になっている。城ごとに残る逸話や、被災からの復旧状況にも触れる。
現存する天守と国宝の城: 姫路城は日本で初めて世界遺産に登録された城で、白鷺が羽を広げたような姿から白鷺城とも呼ばれ、現在の大天守は1609年の建築。天守だけでなく城郭全体が残っている点が圧巻だとしている。松本城は国宝で、1504年に築かれた深志城が始まり。天守にはほとんど窓がなく戦国時代の緊張感が漂うという。犬山城は現存する最古の天守で、屋根の上に望楼を載せた構造が珍しく、最上階の回り縁から360度の眺めを楽しめる。
石垣と復元の見どころ: 大阪城は石山本願寺の跡地に信長が築城を始め、秀吉が引き継いで完成させ、その後徳川秀忠が現在に残る形を築いたと説明する。大坂冬の陣で真田幸村が築いた真田丸でも知られ、石垣の高さも見どころ。熊本城は加藤清正が手掛け、武者返しと呼ばれる石垣が名高いが、2016年の熊本地震で甚大な被害を受けた。天守の復旧は完了し展示も一新されている。名古屋城は金の鯱に本物の18金が使われ、天守は閉鎖中だが本丸御殿が2018年に公開された。
城に残る逸話: 五稜郭は旧幕府軍が最後の砦として新政府軍と戦った戦争終結の地で、日本では珍しいヨーロッパ式の城郭。北海道で唯一の国指定特別史跡であり桜の名所でもある。彦根城は譜代大名の居城で、明治の解体の危機を天皇の意向で免れ、今ではわずかしか残らない登り石垣が現存する。江戸城は築城時に全国の大名が集められ、石垣は西国、堀は東国の大名が担当した。天守は焼失して天守台だけが残り、今は一部が庭園として一般公開されている。築城時の人柱伝説から今も城下で盆踊りをしない城も紹介している。