ピアノ

表現する

両手が別々のことを始める瞬間の、不思議な感覚

どんな趣味?

右手が旋律、左手が伴奏。最初はどちらか片方しか動きませんが、ある日ふいに両手が別々に動き出します。指が覚えるまでは頭で考えても動かず、覚えた後は考えなくても動きます。片手ずつ、テンポを落として同じ数小節を繰り返すのが練習の中身で、一小節できるようになるたびに前に進んでいる実感があります。

始めるのに要るもの

電子ピアノは5万〜10万円が現実的な入門帯で、88鍵あること、鍵盤に重みがあること、ペダルが付いていることの三つを満たすものを選ぶと買い直しになりません。試すだけなら一時間500〜1,500円ほどの音楽スタジオや公共施設の音楽室のピアノを使う手もあります。軽い鍵盤のキーボードは安い代わりに、後で弾き方を直すことになります。

最初の一歩

今週末、楽器店の電子ピアノ売り場で三機種を弾き比べ、鍵盤の重さの違いを指で確かめてください。同じ値段でも別物です。家に迎える前に置き場所を先に決める必要があり、幅1.4メートルほどの本体と、椅子を引く空間、近くの電源まで測っておくと搬入の日に困りません。

続けるとどうなるか

半年で両手が独立し、簡単な曲なら通せます。数年続けると譜面を見て音が想像できるようになり、初めて見る楽譜でもゆっくりなら弾ける状態に届きます。子どもの頃に習っていた人が大人になって再開する例が多く、当時弾けなかった曲に手が届くのがこの趣味の面白さです。伴奏や連弾、DTM・作曲へ広げる人もいます。

向き不向き・注意

据え置きの家具調は35キロ前後、台に載せる薄型でもスタンドと合わせて20キロほどあり、一度置いたら簡単には動かせません。電子ピアノでも、鍵盤を叩く音とペダルの振動は床を伝って階下に届きますので、集合住宅では防振マットと時間帯の配慮が要ります。独学だと指使いの癖が付いてから直すのが大変です。大人の再開組がつまずくのは、子どもの頃より指が動かないという事実で、そこを受け入れられるかで分かれます。

解説動画: ドレミファソラシドを美しく弾くための基礎練習/hiroe music room

概要: 独学の人に向けて、ドレミファソラシドの上り下りを右手・左手・両手の順で丁寧に弾く方法を解説する動画。指くぐりの位置や手の形を実演で示したあと、この単純な練習にどんな効果があるのかを五つ挙げてまとめている。日々の基礎練に取り入れてほしいという立場。

手順: 右手は中心より少し左のドを親指から始め、ミまで来たらアーチになった中指の下を親指がくぐってファへ移る。上のドは小指。下りは逆で、ファのところで親指の上を中指が越える。左手は一オクターブ下のドを小指から始め、ソまで来たらラで中指がくぐる。二オクターブに伸ばすとくぐる指が薬指に替わる。

コツ: 人差し指から小指までは軽くアーチを描いた形を保ち、手も肘も手首もぶらつかせない。指くぐりのときも形を崩さず滑らかに通す。一番上のドで小指に力が入りすぎないようにするのもポイント。親指は力が強く小指は弱いので音量がばらつきやすいため、一音ずつ丁寧に、粒をそろえてテンポを一定に保つよう繰り返している。

やりがちなミス: 手首を上下に振ってしまう、肘や手首でリズムを取ってしまう、指くぐりで遅れたり親指に移った瞬間に音が出なくなる、といった癖を挙げている。鍵盤に体が近すぎると高いドで肘の逃げ場がなくなるとも指摘し、体と鍵盤の距離を測る手立てにもなるとしている。

この練習で得られること: 姿勢のチェック、動かしにくい薬指と小指の独立、音の粒をそろえること、曲でも必ず出てくる指くぐり、両手を同時に動かす感覚の五つを挙げる。右手と左手では指くぐりの位置が違うのでややこしいが、そこが両手の練習として効くとも話し、何も考えず弾くだけでは効果が薄れると釘を刺している。