写真
表現する
見えていたのに見ていなかったものに気づく
どんな趣味?
被写体を探して歩き、立ち止まり、しゃがみ、半歩ずれて、光の当たり方が変わるのを確かめています。同じ花でも朝と夕方、順光と逆光でまったく別の写真になります。シャッターを切るまでの数十秒が本体で、押した後は選ぶ作業です。帰ってから百枚を十枚に削るうちに、見慣れた通勤路が被写体だらけに見えてきます。
始めるのに要るもの
手持ちのスマートフォンでも十分に始まります。専用機なら2万〜3万円の中古の入門ミラーレスと標準ズームのセットが現実的で、発売から年数の経った機種を選べばこの範囲に収まります。これに2千円前後のメモリーカードと予備の電池を足せば足ります。最初の一本は付属の標準ズームだけで通すのが結局いちばん早く、レンズを増やすのは撮りたいものがはっきりしてからで間に合います。
最初の一歩
今週末、近所を一時間だけ歩いて、目についたものを一つ決め、同じ被写体を角度と距離を変えて三十枚撮ってみてください。同じものを撮り続けると、写真を変えているのが自分の立ち位置だと分かります。買う前に触りたければ、家電量販店のカメラ売り場で実機を五分持たせてもらうだけでも、重さと構えやすさの相性が見えます。
続けるとどうなるか
半年も通えば、朝夕の斜めの光と昼の光の違いが体感で分かり、天気予報を見る目的が変わります。数年経つと機材の話より自分が何を撮る人なのかがはっきりしてきて、街、人、山、鉄道と行き先が定まります。印刷して壁に貼る、写真集にまとめる、地域の写真展に出すと出口も増え、そこから動画編集へ流れていく人もいます。
向き不向き・注意
撮ることより、増え続けるデータの整理のほうが重荷になります。レンズや機材には上限が無く、気づけば本体より高い一本を買っています。人が写る場面や施設の中、私有地では撮影と公開のルールが場所ごとに違うので、掲示や施設の案内を必ず確認してください。三脚や自撮り棒が禁止の場所も多く、道具沼にはまるのは写真がいちばん早い趣味です。
解説動画: 風景・動物・飛行機で使い分けるF値の決め方/写真家 井上浩輝の写真表現ゼミ - Hiroki INOUE
概要: 絞りの仕組みそのものの解説は書籍や他の解説者に譲り、撮影者自身がシーンごとにどうF値を決めているかという判断の中身を話す動画。風景・動物・飛行機という三つの原則と、その例外にあたる実例写真を並べて説明していく。ポートレートと食べ物は別の機会に回すと断っている。
三つの原則: 風景はF11〜16までしっかり絞り、動物は記録目的でない限り開放側、飛行機はF8にシャッター速度1/1000・感度オートを基本にしていると説明している。飛行機の設定を維持したいからマニュアルにしていて、絞り優先やシャッター優先だともう片方が勝手にずれて思い通りにならないと話す。
コツ: 数値の正解を覚えるより、電子ビューファインダーで実際にどう写っているかを見て決める方が大事だと繰り返している。風景でF14を選んだのは光条がきれいに出たからで、狐三頭にピントを合わせたときのF7.1は焦ってダイヤルを回した先だっただけだと明かし、数値そのものに理屈はないと言い切る。
例外にあたるとき: 雪の玉ボケを狙うときは風景でも開放寄りにし、街灯しか届かない暗さでは動物も飛行機も開放にせざるを得ないと例を挙げる。動きの速い動物は1/1000秒を確保するため開放で撮っていて、絞ると暗くなって感度を上げる羽目になると説明する。逆に複数の個体を一枚に収めるときは一気に絞る。
食べ物や商品を撮るとき: かつて飲食店のメニューを撮っていた頃や寿司の撮影では、手前から奥まで全部にピントを合わせる必要があるためF16〜20まで絞ったと話す。それでも被写界深度に収まらない場合は、ピント位置を変えて何枚か撮り、合成して一枚に仕上げることがあると明かしている。