俳句・短歌
表現する
十七音に削るうちに、言いたかったことが分かる
どんな趣味?
見たものを、五七五の十七音か、五七五七七の三十一音に収めます。字数が足りないのではなく、入れたい説明を全部捨てないと入らないのが本質で、何を捨てるかを決める作業がそのまま推敲です。散歩の途中に浮かんだ断片を手帳に書き、家で並べ替える。一句は十分でできますが、直すのに一週間かかることもあります。
始めるのに要るもの
手帳と鉛筆、それに歳時記が一冊あれば足ります。季語を集めた歳時記は文庫版が1,500円前後、入門書も千円台です。最初は歳時記を辞書ではなく読み物として眺めると、季節の言葉のほうから題材が寄ってきます。結社に入る場合の会費は機関誌の購読料を兼ねることが多く、年1万〜3万円と団体によって幅があります。入るのは続けると決めてからで構いません。
最初の一歩
今週末、ウォーキング・散歩がてら近所を三十分歩いて、目に入ったものを五つ手帳に書き留めてください。それだけで素材はそろいます。帰ってから、そのうち一つを十七音に収めます。感想や説明を入れず、見たものだけを置くと俳句らしくなります。新聞や自治体の広報にある投句欄は、無料で応募できるものが多くあります。
続けるとどうなるか
半年続けると、歩いているときの目の使い方が変わり、季節の変化に人より先に気づくようになります。一年で自分の句の癖が見えてきます。句会では作者名を伏せて選び合うため、評価が肩書きぬきで返ってくる珍しい場です。地域の句会や結社、発表・大会に出る形での公募と、続けるほど人と交わる方向へ開けていきます。
向き不向き・注意
道具も場所も要らない代わりに、一人だと上達しているかどうかが分かりません。反応が無いまま数か月書き続けて、手応えのなさで止まる人が多くいます。句会は平日の昼に開かれるものが多く、働いていると通える会がかなり限られます。オンラインの句会や新聞の投句欄で補う人もいます。年配の参加者が中心の場も多く、雰囲気が合うかは一度出てみないと分かりません。結社に属せば会費や投句料が継続的にかかります。
解説動画: 日記やメモから俳句の種を採ってくる作り方/夏井いつき俳句チャンネル
概要: 最初の一句をどう作ればいいのかという相談に答える回。創作だと思うから高い壁に感じるのだとして、頭の中から捻り出すのではなくすでにある文章から言葉を採ってくるという考え方を示し、小学生の日記と大人の予定表の両方で実演している。季語は一覧を見て後から足せばよいという組み立てになっている。
手順: 日記を句点で区切って一文ずつ見て、その中から五音か七音の塊を探す。動物園で絵を描きましたという一文なら「動物園で」で七音、「絵を描いた」で五音になり、合わせて十二音の種ができる。あとは空いている五音のところに季語を入れればそれで一句になる、という順番。
コツ: 指を折って音数を数えると分かりやすいと勧める。長い言い方は縮め、入れたい言葉を残すために別の情報は落とす。お母さんという情報を入れると季語が入らなくなる、といった判断をその場で見せている。同じ一文からでも残す言葉を変えれば二通りの種が採れるので、話し合いながら決めるとよいと言う。
大人の場合: 子どもがいなくても、予定帳や買い物のメモ、カレンダーの書き込みが同じ材料になると言う。「午後一時打ち合わせ」という一行に季語を足すだけで一句になり、明るい季語にすれば溌溂とした句に、鬱陶しい季語にすれば気の重い句に変わると、その場で二通り作って見せている。
続けるには: 日記の宿題のついでに俳句の宿題も片づく一石二鳥だとし、五音や七音になっている箇所を探しながらどの言葉を残したいか親子で話して決めれば会話が生まれると勧めている。季語は概要欄から落とせる一覧を当分使えばよく、それに飽きた頃に歳時記を買えばいい、という段取りまで示している。