書道

表現する

墨を磨る数分で、その日の頭が静かになる

どんな趣味?

紙を敷き、文鎮を置き、墨を用意し、姿勢を整えてから一画目を置きます。筆は押せば太く、抜けば細くなるので、速さと圧の変化がそのまま線に残ります。書き直しはできず、一枚は数十秒で終わります。同じ字を三十枚書くうちに、考えごとが消えて手だけが動く状態になり、それを目当てに続けている人が多い趣味です。

始めるのに要るもの

書道用品店や大型文具店の入門セットが3千〜5千円で、筆、墨液、硯、下敷き、文鎮、半紙まで入っています。最初は墨を磨らず墨液で十分です。半紙は百枚で数百円の練習用を使い、清書だけ良い紙にすれば足ります。教室に通う場合は月5千〜8千円程度が一つの目安です。

最初の一歩

今週末、半紙を二十枚並べて、自分の名前だけを書いてみてください。同じ字を並べると、線の違いが自分でも見えます。手本が欲しければ公民館やカルチャーセンターの書道講座が近くにあり、一回2千円前後の体験なら道具も貸してもらえます。教室・スクールの選び方で見るのは、流派より通える曜日と時間です。

続けるとどうなるか

半年で、線の始まりと終わりの処理が変わり、字が締まって見えるようになります。古典を写す臨書に入ると、千年前の人の筆の速度が指から伝わってきて、書道が模倣から始まる理由が分かります。年賀状や祝儀袋の宛名を頼まれる場面も増えます。行き詰まったら基礎に戻る、つまり横画一本の練習に帰る人が多いのもこの趣味です。

向き不向き・注意

墨は服にも畳にも付き、一度付いた墨はほぼ落ちません。新聞紙を広げられる机と、書いた紙を乾かす場所が要ります。準備と片づけまで含めると一回三十分は余分にかかり、思い立ってすぐ書ける趣味ではありません。段位や師範の制度は団体ごとに基準が異なりますので、資格としてどう扱えるかは所属先や所管の最新の要項を確認してください。

解説動画: 書きやすい姿勢と、筆の構え方・持ち方の基本/華鳳先生の書道学校

概要: 書き始める前の姿勢、腕の構え方、筆の持ち方という三つを順に解説する動画。スポーツでフォームを整えるとパフォーマンスが上がるのと同じで、ここが狂うと字に影響が出ると位置づけている。正座ではなく普段から座り慣れた椅子と机で書く前提で話し、大筆と小筆で構えが変わること、指の掛け方にも一本と二本の二通りがあることを実際に書きながら見せていく。

姿勢: 机の高さは自分のへそと同じか少し上が目安で、低ければ座布団などで調整する。左手は紙の左下をしっかり押さえて遊ばせない、肘は体から拳一つか二つ分離す、と挙げる。肘が上がりすぎると肩に余計な力が入ってすぐ疲れる。背筋を伸ばしきるより、書き始めたら前に15度ほど傾く方が書きやすいとも言う。

構え方: 腕を宙に浮かせる構えは肩から大きく動かせるので大きい字向き、肘から手首を紙につける構えは線が安定するので細かい字や手紙・のし袋向き、左手の甲を枕にする構えも細字に向くと整理する。どの構えでも肩から腕全体を動かすことが要で、手首や指先だけで書くと線が萎縮すると実演で示している。

持ち方: 筆は下すぎても上すぎてもよくなく、人差し指の第二関節が軸の中央に来るあたりが目安。机の高さによって上下に調節する。親指は軸に対して真横から入れ、手のひら側に指二本分の隙間を空ける。力が入っていると隙間が狭くなり手の甲が盛り上がり、書き続けるとすぐ疲れると注意している。

自分に合う持ち方の選び方: 指を二本掛ける持ち方の方が筆が安定して真っ直ぐ立てやすく、楷書以外の書体でも扱いやすいと、自身が大人になって変えた経験から話す。ただし手の大きさも骨格も人それぞれなので正解は一つではないという立場で、肘の高さ・筆を持つ位置・左手の三点だけは常に確認しながら書くよう促している。