発酵・自家製調味料

味わう

仕込んで待つ。台所の中で勝手に味が育つ

どんな趣味?

材料を混ぜ、容器に詰め、あとは待つ。手を離している間に、微生物のほうが味を作ってくれます。塩麹なら一週間、味噌なら半年、一日一度かき混ぜるだけの日が続きます。作業時間は短いのに、開けるたびに匂いと色が変わるので、待つこと自体が観察になります。できたものが毎日の食事に入るのも強みです。

始めるのに要るもの

密閉できる容器と、塩、麹があれば始められます。塩麹なら麹200gで300円から600円ほどと塩だけ、容器を入れても1500円以内に収まります。すでに仕込まれたぬか床は1000円前後で買えて、初日から漬けられます。味噌は大豆を炊くぶん手間も材料も増えますが、それでも道具は同じで、食べられるのが半年後になることだけ覚えておいてください。

最初の一歩

今週末、スーパーの乾物売り場か、味噌や漬物の並ぶ棚で乾燥麹をひと袋買ってください。作るのは塩麹一つで十分です。麹と塩と水を混ぜて容器に入れ、常温で一日一度混ぜて一週間から十日ほど置きます。それだけでできます。できたら鶏肉に塗って一晩置き、焼いてみてください。手を動かすのは初日の10分だけで、味の違いは一度で分かります。

続けるとどうなるか

一つできると、次が欲しくなります。醤油麹、ぬか漬け、味噌、酢と広がり、買っていた調味料が台所から減っていきます。季節ごとに仕込むものが決まってくると、一年の流れが台所の中にできます。同じ手順でも家ごとに味が違うのがこの分野の面白さで、料理やスパイスと組み合わせると使い道が一気に増えます。

向き不向き・注意

食品を扱う以上、衛生の管理は自分の責任になります。容器の消毒、塩分、温度のどれかを省くと腐敗やカビにつながるので、迷ったら食べずに捨ててください。ぬか床は毎日かき混ぜる前提で、旅行のたびに手当てが要ります。匂いも出るため、台所や冷蔵庫の匂いに敏感な同居人がいる家では揉めます。作ったものを人に売るなら許可や届出の対象になり得ますので、所管の最新情報を確認してください。

解説動画: 塩麹・醤油麹など5種類の麹調味料の仕込みと使い方/ゆもんち

概要: 麹を使った無添加の発酵調味料5種類を、仕込みから完成、実際の料理での使い方までまとめて紹介している。常備しているのは塩麹・醤油麹・玉ねぎ麹の3つで、今回は生姜麹とにんにく麹も加えている。手作りすると添加物を減らせて出費も抑えられるという動機から始まり、置き換えのルールまで扱う内容。

準備するもの: 保存容器は衛生面から形のシンプルなガラス瓶を勧めており、煮沸消毒するか、食品に使えるアルコール度数70%以上のもので瓶の口や蓋まで拭いてから使う。麹には生と乾燥があり、動画では手に入りやすい乾燥の米麹を使っている(500g入りを498円で購入)。塩は精製されていない海水塩など天然のものを勧めている。玉ねぎ麹は量が増えるので500ml以上の瓶を用意する。

仕込みの手順: 塩麹は麹100g・塩30g・水130g。醤油麹は麹100gに醤油を注ぐ。玉ねぎ麹はペースト状にした玉ねぎ350gに麹100gと塩35g、乾燥麹なら水大さじ2。生姜麹はすりおろした生姜100gに麹100gと塩40g、水50ml程度。にんにく麹はすりおろしたにんにく30gに麹100gと塩30g、水は乾燥麹なら100〜130ml。乾燥麹は素手でほぐして常在菌をつけると酵素が働きやすくなるとしている。1日1回かき混ぜ、発酵中は蓋を乗せるだけにしておく。

見極めと保存: できあがりの目安は米の粒が指で簡単につぶれるくらい柔らかくなり、香りが優しく甘く変わったとき。気温にもよるが夏場は1週間前後、冬場は2週間ほどかかる。冷蔵に移してからの保存の目安は塩麹が半年、醤油麹が2ヶ月(水を足さなければ3ヶ月)、玉ねぎ・生姜・にんにくは各2ヶ月。仕込んだ日をラベルに書いておくと安心だとしている。保存料を使わないので雑菌が大敵。取り出すときは必ず清潔なスプーンを使い、カビ・匂いの変化・変色が出たら腐敗のサイン。にんにく麹が緑がかるのは細胞が壊れる過程で起きるもので害はないと補足している。

置き換えのルールと使い方: 塩麹は塩の代わりに2倍量、醤油麹は醤油と同量、玉ねぎ麹はコンソメ1個に対して大さじ2から、生姜麹とにんにく麹は薬味として同量が目安。肉や魚に直接揉み込むときは重量の1割程度と覚えておくと分かりやすいとしている。実例として、塩麹を使った卵なしのマヨネーズ(オイル100gと豆乳50gをブレンダーで乳化させる)、玉ねぎ麹をコンソメ代わりに入れたスープやカレー、醤油麹で味付けした炒め物と小松菜のふりかけを作っている。加熱しても構わないという立場で説明している。