コーヒー

味わう

同じ豆が、挽き方ひとつで別の飲み物になる

どんな趣味?

豆を挽き、湯を細く落とし、ふくらむ粉を見ながら三分ほど待つ。手順はそれだけですが、同じ豆でも挽き目と湯温で味が別物になります。苦い、酸っぱいとひとくくりにしていたものが、産地や焙煎度の違いとして輪郭を持ち始めます。朝の10分が、その日の一杯を確かめる時間に変わっていくのが面白いところです。

始めるのに要るもの

最低限はドリッパーとペーパー、手挽きミルの三点で、合わせて5千円ほどに収まります。ケトルは注ぎ口の細いものが家にあれば代用でき、豆は100gあたり700円から1200円ほどで買えます。電動ミルや温度計、専用ケトルは続けると決めてからで十分で、最初から一式そろえる必要はありません。

最初の一歩

今週末、自家焙煎の豆を売っている店で100gだけ買ってみてください。焙煎所や専門店なら、普段どう飲むかを伝えれば飲み方に合う豆を選んでくれます。その場で挽いてもらえば、家に要る道具はドリッパーとペーパーだけで済みます。同じ豆を二日続けて淹れると、湯の落とし方だけで味が動くことが分かります。

続けるとどうなるか

半年もすると、袋の裏の産地や精製方法を見て味の見当が付くようになります。外で飲む一杯の良し悪しも分かるようになり、旅先で店を選ぶ楽しみが増えます。そこから先は焙煎そのものに手を出す人と、道具を増やさず抽出だけを詰める人に分かれます。チョコレートや日本茶・紅茶と味の語彙が共通していて、関心が横に広がりやすい分野です。

向き不向き・注意

器具沼になりやすい趣味の代表格で、ミルやケトル、抽出器具を買い替え続けると数万円はすぐに飛びます。豆は焙煎から日が経つほど香りが落ちるため、安いからと買いだめすると結局おいしくない一杯を飲み続けることになります。カフェインに弱い方や、夕方以降に飲むと眠れなくなる方には向きません。道具沼にはまるを先に読んでおくと安全です。

解説動画: 豆とお湯を量り3回に分けて注ぐハンドドリップの基本/ダイヤモンド公式チャンネル

概要: バリスタが、自分にとって一番おいしいコーヒーを淹れるための要素として豆の重さ・お湯の重さ・抽出時間・温度・蒸らし・注ぎ方の6つを挙げ、そのうち基本になる豆・湯・時間の3つに絞って1杯淹れきるまでを実演している。使うのはペーパーフィルターとドリッパー、そして重さと時間を見るためのスケールで、粉を挽くところから注ぎ終わりまでを通しで見せる流れになっている。

分量の決め方: お湯100gに対して粉6〜8gを鉄則として示し、濃いめが好きなら8g寄りにするとしている。動画ではお湯300gに粉21gの配分で淹れている。計量スプーンのような体積での計量ではなく必ず重さで量るよう繰り返しており、理由は焙煎度合いによって同じ体積でも豆の重さが変わるため。重さで揃えると毎回同じ味に近づくと説明している。

手順: ペーパーをセットしたらドリッパー全体に湯をかけて温める。粉を入れたら持ち手ではなく根元を持って左右に数回振り、表面を平らにならす。湯は全体量を20%・20%・60%の3回に分け、1投目を蒸らしとして約1分置き、以降も中心から円を描いてフィルターの壁まで届かせる。最後の1投は気持ち早めに注ぎ、落ち切るまで待つ。

コツ: 壁まで湯をかけるのは、壁にへばりついた細かい粉を湯で押し戻し、常に粉と湯が触れている状態を作るため。蒸らしではドリッパーを軽く揺らして粉全体を均一に濡らし、最後にももう一度軽く揺らす。抽出時間は3〜4分が目安で、蒸らしを長めに取るぶん一般的なドリップより長い。分量を最初から計算しているので落とし切ってよいとしている。