強い語と弱い語の並びで、拍を作る。
文のリズムの練習は、拍を置く語を決める、拍の間隔をそろえる、拍の間に弱い語を詰める、の順に進めます。拍を置くのは、名詞・動詞・形容詞・副詞の強い音節です。
拍は、声の高さより長さで作ります。アメリカ英語の話者20人と日本語話者の英語学習者42人の読み上げを比べた研究では、内容語と1音節の機能語が交互に並ぶ文で、英語話者の内容語の母音は機能語の母音の2倍以上の長さがありました(Mori・Hori・Erickson 2014)。日本語話者は長さの差をほとんど付けず、声の高低の繰り返しで似た型を作っていました(同)。拍を置く語の母音を伸ばし、弱い語を短く切る練習を、声の上げ下げの練習より先に置きます。
拍は、手の動きと結び付けて覚えます。手本の話し手が拍に合わせて手を振り下ろす動画を見て練習した学習者は、考える負担の大きい問いへの答えで、訛りの評価が良くなりました(Gluhareva・Prieto 2017)。自分で言うときも、机を指で叩く、手を軽く振り下ろすなど、拍の位置で手を動かします。
拍の間隔を保ったまま弱い語を詰める練習には、数の段を使います。手を一定の速さで叩きながら one, two, three, four と言い、次に one and two and three and four、さらに one and then two and then three and then four と、叩く速さを変えずに言います(Otsuru 2025)。間の語が増えても拍の間隔は変わらず、and や then だけが速く短くなります。文では、I'd like to ASK QUEStions、I'd like to ASK you QUEStions、I'd like to ASK you some QUEStions の順に段を作ります(同)。間に入る語は弱形(機能語が弱くなる)と前置詞と代名詞の弱形の形で言います。
録音を聞き、手を叩いた位置と強い語が重なり、叩く間隔が文の頭から終わりまでそろっていれば、リズムができています。弱い語の多い所で間隔が延びていたら、延びた区間の弱い語をもう一度短くします。
出典
- 論文・英語 Mori Y, Hori T, Erickson D(2014) Acoustic Correlates of English Rhythmic Patterns for American versus Japanese Speakers
- 論文・英語 Gluhareva D, Prieto P(2017) Training with rhythmic beat gestures benefits L2 pronunciation in discourse-demanding situations
- 論文・英語 Otsuru S(The Language Teacher 49(6))(2025) Syllables That Don't Count