語と語の境目で、音がつながる仕組み。
つながる音の練習は、2〜3語の句で、子音 + 母音のリンキングから始めます。語末の子音を次の語の頭へ移すだけで言え、口の形を新しく覚えずに済むからです。次に同じ子音のリンキングと破裂音の続く句、その次に母音のあいだの渡り音の順に進みます。r のリンキングはイギリス英語のように語末の r を読まない話し方だけで起きるので、アメリカ英語を手本にする場合は聞き取りの練習だけで足ります。
日本語話者の崩れ方には決まった型があります。関東の学生65人がニュースの原稿を読んだ録音では、母音で始まる語の前でのどを一瞬締めて音を切る形が最も多く、2番目は、子音で始まる語の前で語末の破裂音をはっきり破裂させる形でした(前田 2010)。直す所は2つに絞れます。母音の前では声を止めずに続け、子音の前では語末の破裂音を放さずに止めます。
子音 + 母音のリンキングは、語末の子音を次の語へ移した形でゆっくり言うところから始めます。look up は「ル・カップ」、turn off は「ター・ノフ」のように区切りの位置を書き換え、区切ったまま3回、区切りを消して3回言い、最後に普段の速さまで上げます(Rachel's English・Martin Weisser)。速くしても、移した子音は次の語の頭に置いたままにします。アメリカ英語では、get in のように t が母音に挟まると/t/ のフラップ化も同時に起き、t が舌先で軽く弾く音になります(Rachel's English・アメリカ英語)。
子音どうしの句では、同じ子音を1つの長い音にまとめ、破裂音は口を閉じたまま息を止めて、次の語の子音で放します。flip phone なら、p の形で閉じた唇を開かずに、そのまま f の形へ移ります(Rachel's English)。言いにくい組み合わせは、2つの子音を1つずつ言い、ゆっくりつなぎ、句に戻す順で練習します(同)。母音のあいだの渡り音は、my own、do it、how old のように母音どうしが並ぶ句で、声を途切れさせずに次の母音へ移る練習をします(Martin Weisser)。
句は、よく使う語の組み合わせから選びます。つなぐ練習をした英語学習者45人は、聞き取りも発音も伸び、1か月後も伸びが残り、練習していない文にも広がりましたが、頻度の低い語どうしのつながりは、頻度の高い語どうしより伸びが小さいものでした(Alameen 2014・博士論文)。is it、an hour、get up のような毎日使う句でつなぎ方を固めてから、知らない語の句へ広げます。
できたかどうかは録音で確かめます。2語が1語のように聞こえ、語と語の間に「ッ」のような切れ目も、子音のあとの「ウ」「オ」も無ければ、つながっています。
出典
- 資料・英語 Rachel's English English Pronunciation - Linking: Consonant to Vowel
- 資料・英語 Rachel's English Linking Consonant to Consonant
- 資料・英語 Martin Weisser Linking
- 論文・英語 前田マーガレット(神奈川大学言語研究 33)(2010) Some problems with word-linking in the English of Japanese learners
- 論文・英語 Alameen G(アイオワ州立大学の博士論文)(2014) The effectiveness of linking instruction on NNS speech perception and production