音が落ちる・隣の音に寄る仕組み。
消える音・変わる音は、聞き取りから練習し、自分で言うのはあとに回します。どちらも会話の流れの中で起きる変化で、変化させずに言った形が誤りになるわけではないからです。聞き取りの練習は1回を短くし、1つの現象に絞って回数を重ねます。中国の英語学習者に縮んだ形を1回約10分・計30回教えた授業では、発音の対を練習した組より聞き取りの成績が伸びました(Brown・Hilferty 1986。3つの測り方で伸び方に差がありました)。told you、want you のように/d/ + /j/ の同化と同じ型の聞き分けを3週間オンラインで練習した英語学習者も、練習しなかった組より大きく伸びました(Gokgoz-Kurt 2016・博士論文)。
聞き取りの手順は3段です。1つの現象の句を5〜6個集め、はっきり言った形と変化した形を続けて聞き比べます。次に、変化した形だけを聞いて、元のつづりで書き取ります。最後に、同じ句の入った文を聞いて書き取ります。did you、would you は/d/ + /j/ の同化、miss you、this year はs・z と y の同化、tell him、give her は/h/ の脱落の句です。書き取った文に元の語がすべて戻っていれば、聞き取れています。
自分で言う練習は、言ったほうが口の楽になる変化から入れます。/t/ の脱落は子音の並びが長いほど、似た子音どうしほど起きやすくなります(Martin Weisser)。last night、next week を、t を言う形と落とす形の両方で録って聞き比べます。t を落とした所に「ト」「トゥ」の母音を残さないことが条件です。弱い音節の脱落は語の中の変化で、every、business は辞書でも2音節の語です。手を叩いて音節を数え、2回で言い切れれば合っています。
鼻音への同化は、次の音への口の先回りで起きます。ten points では n が m に、thin coat では n が ng の音に寄ります(Martin Weisser)。ten points は、n を言う時点で唇を閉じ始め、唇を閉じる動きを1回で済ませます。/t/ のフラップ化はアメリカ英語の変化で、イギリス英語を手本にするなら t のまま言います。アメリカ英語を手本にするなら、forget about it の母音に挟まれた t を舌先で軽く弾き、3語をひと続きに言います(Rachel's English・アメリカ英語)。
-ing の g 脱落のように、くだけた話し方の印になる変化は、聞いて分かれば足ります。自分の英語に入れる変化は、言ったほうが楽で、録音を聞いて元の語が分かるものだけに絞ります。
出典
- 資料・英語 Martin Weisser Elision
- 資料・英語 Martin Weisser Assimilation
- 論文・英語 Brown JD, Hilferty A(1986) The Effectiveness of Teaching Reduced Forms of Listening Comprehension
- 論文・英語 Gokgoz-Kurt B(サウスカロライナ大学の博士論文)(2016) Attention Control and The Effects of Online Training in Improving Connected Speech Perception by Learners of English As A Second Language
- 資料・英語 Rachel's English English Pronunciation - Linking: Consonant to Vowel