伸ばす音と、途中で変わる音。
長母音と二重母音の6項目は、/iː/と/uː/の2つの長母音から始め、二重母音は/aɪ/・/aʊ/、そのあとに/eɪ/・/oʊ/の順に進めます。長母音は短母音との対で口の形を分け、二重母音は口の形を最後まで動かし続けることを練習します。
/iː/は ship / sheep、/uː/は pull / pool のように、短母音の/ɪ/・/ʊ/と対にします。「長」と名前が付いても、母音そのものに決まった長さはありません。ほかの条件が同じなら、声のある子音の前の母音は声の無い子音の前より少し長くなり、beat の /iː/ は短く、bid の /ɪ/ は少し長めになります(Rachel's English・アメリカ英語)。日本語話者が英語の母音を日本語の1拍と2拍に振り分ける聞き方も、後ろの子音の声の有無で変わりました(Strange ら 2001)。長さで区別する癖を外すために、seat / seed、loose / lose のように同じ母音を両方の位置で言い、長さが変わっても口の形は変えません。
二重母音は、カタカナで「アイ」「アウ」と書かれる /aɪ/ と /aʊ/ を先にします。time・how はカタカナでも2つの母音の動きが残っていて、1拍にまとめれば英語の形に近づきます。/eɪ/ と /oʊ/ はあとに回します。ケーキ・ボートのようにカタカナで「ー」と伸ばして書かれるため、動きが消えて1つの母音になりやすい音です。母音の聞き分けでは響きの動きが手がかりになり、動きを止めた合成音は、実際の動きを再現した音より正しく聞き取られる割合が大きく下がりました(Hillenbrand と Nearey 1999)。
/eɪ/ と /oʊ/ は、短母音との対で練習します。pen / pain、let / late、wet / wait で/e/と /eɪ/ を、not / note、hop / hope、cot / coat で/ɒ/と /oʊ/ を言い分けます。late・hope はa_e / i_e / o_e / u_e、pain・wait はai、coat はoaのつづりに当たるので、読む練習と一緒に進められます。/oʊ/ は英語の種類で出だしが違い、アメリカ英語は口を大きめに開けて始め、イギリス英語はあいまいな母音から始めて短めに終えます(Rachel's English)。
できあがりの目安は、late と let、coat と cot を録って聞き返したとき、late と coat の終わりで口が閉じていく動きが聞こえることです。動きが聞こえないときは、出だしの形と終わりの形を別々に作ってから、ゆっくりつなぐ練習に戻ります。
出典
- 動画・英語 Rachel's English EE vs. IH, Long and Short Vowels
- 論文・英語 Strange W, Akahane-Yamada R, Kubo R, Trent SA, Nishi K(2001) Effects of consonantal context on perceptual assimilation of American English vowels by Japanese listeners
- 論文・英語 Hillenbrand JM, Nearey TM(1999) Identification of resynthesized /hVd/ utterances: Effects of formant contour
- 動画・英語 Rachel's English American vs. British English – Vowel Sounds – Pronunciation differences