薪・焚き火図鑑

スギ(針葉樹)

スギは、軽くて割りやすい、着火に使いやすい針葉樹の薪。日本特産の針葉樹で、林野庁によるとスギとヒノキの林が人工林面積の約7割を占めます。樹皮は赤褐色で縦に長く裂けて細長くはがれます。林産試験場は、木理がまっすぐで加工しやすく、心材は淡紅色から黒褐色まで色の幅が大きく、辺材は淡黄白色から淡褐色としています。…

ヒノキ(針葉樹)

ヒノキは、香りがよく火付きも早い上等な薪。樹皮は赤褐色で外面が灰色をおび、葉は鱗状です。本州・四国・九州に分布し、北限は福島県だと森林総合研究所九州支所の解説にあります。日本木材総合情報センターの表では、心材は淡紅色で辺材はほとんど白色、特有の芳香が材の価値を高めるとあります。気乾比重の幅は0.34〜0.54で…

アカマツ(針葉樹)

アカマツは、ヤニが豊富で、雨の日の火起こしの切り札になる薪。森林総合研究所によると、樹皮は赤褐色または黄褐色で下のほうは暗褐色、老木では厚く裂けます。名前は幹の赤褐色に由来します。林野庁によると北海道南部から九州に分布し、やせた土地にも育ちます。材は建築材から楽器材、パルプまで使われ、木からは松脂…

カラマツ(針葉樹)

カラマツは、秋に葉を落とす高原の針葉樹。日本の針葉樹では珍しく秋に葉を落とす木で、高原や信州のキャンプ場周辺の林でよく見かけます。森林総合研究所によると、天然分布は中部地方の高標高地帯が中心で、成長の速さから東日本各地に植えられ、人工林の約1割(約100万ヘクタール)を占めます。…

コナラ(広葉樹)

コナラは、薪の王様と呼ばれる定番の木。どんぐりのなる木の代表格で、樹皮は灰黒褐色で浅く縦に裂け、老木では深く裂けます。森林総合研究所九州支所の解説では、材は建築材や器具材、しいたけの原木にも使われるとあります。林野庁によると、コナラなどが大部分の里山林は20〜30年ほどの間隔で伐採と萌芽更新を繰り返してきました。…

クヌギ(広葉樹)

クヌギは、ずっしり重く、長時間燃える薪の主力。樹皮がコルクのように厚くごつごつと割れているのが目印で、夏はカブトムシが集まる木としても知られています。しいたけのほだ木に使われるほど材が詰まっており、同じ体積のスギの二倍近い重さがあるので、持った瞬間に違いが分かります。森林総合研究所によると…

ケヤキ(広葉樹)

ケヤキは、硬くて割りにくい街路樹にも使われる広葉樹。公園や街路樹でおなじみの落葉高木で、冬に見上げるとほうきを逆さにしたような枝ぶりがよく分かります。森林総合研究所九州支所によると、樹皮は灰褐色で老木では大きな鱗片になってはげ落ち、用途は建築・楽器・彫刻材のほか薪炭材で、木灰は陶磁器の製造にも使われます。…

サクラ(広葉樹)

サクラは、煙の香りが甘い燻製向きの薪。樹皮に横向きの筋のような皮目が並ぶのが見分け方で、街路樹や果樹園の剪定で出た枝が薪として流通します。材は程よく緻密で扱いやすく、割るとほのかに甘い香りが立ちます。ソメイヨシノでも山桜でも、薪としての扱いは大きく変わりません。

シラカバ(広葉樹)

シラカバは、白い樹皮が目印の寒冷地に生える木。白い樹皮が紙のように薄くはがれるのがいちばんの特徴で、北海道や標高の高いキャンプ場でよく見かけます。北海道立総合研究機構によると、分布は北海道から本州中部以北とアジア東北部で、日当たりのよい場所や火山灰地でよく育ち…

ブナ(広葉樹)

ブナは、均一に燃える素直な広葉樹。灰白色でつるりとした樹皮に地衣類の斑模様が乗るのが目印で、東北や日本海側のブナ林がよく知られています。材は白っぽく重く詰まっていますが、割ったときに繊維がまっすぐ通るので、手斧でも比較的まっすぐ割れてくれます。林業技術の解説チャンネル「造林技術研究所」によると…

カシ(広葉樹)

カシは、国内最重量級の木で、熾火が長く持つ薪。常緑のどんぐりの木の総称で、葉が厚く冬も緑を保ちます。農林省林業試験場の資料(日本木材総合情報センター掲載)では、シラカシは利用される日本産材で最も重硬なものの一つ(気乾比重0.74〜1.02)とされます。備長炭の原料になるウバメガシもこの仲間で…

リンゴ(広葉樹)

リンゴは、剪定枝が甘く香る果樹の薪。果樹園の剪定で出た枝や幹が、薪やスモークウッドとして流通します。直径が細く曲がった枝が多いので一本が短く、小さめの焚き火台でも持て余しません。長野市など9市町村の圏域には、果樹の剪定枝を薪ストーブなどの燃料にする事業があり、狙いはCO2の削減と農業残渣の活用です。対象は…

フェザースティック(焚き付け・着火材)

フェザースティックは、薪を削って作る自前の着火材。薪の表面を薄く削り、羽根のようなカールを一本の棒に何段も残したものです。Coalcracker Bushcraft(YouTube)は、厳密には削り屑を棒に残すのがフェザースティック、落とすのが削りかす(シェービング)で、火起こしにはどちらでも使えると話します。スギは…

杉の葉・松ぼっくり(焚き付け・着火材)

杉の葉・松ぼっくりは、拾って使える天然の焚き付け。地面に落ちて茶色く枯れた杉の葉と、かさが大きく開いた松ぼっくりを拾って使います。焚き付けの条件を、Joel van der Loon(YouTube)は「乾いて枯れている・軽い・細い」と説明します。松ぼっくりは、Horstmannらの2024年の研究で…

白樺の樹皮(焚き付け・着火材)

白樺の樹皮は、濡れても燃える最強の火口。シラカバの幹からはがれた白い薄皮で、白い色のもとはベツリンという水をはじく成分です。紙のように薄い層が何枚も重なり、指で裂けば繊維状になります。帯広百年記念館の解説では、アイヌの人々はカンバ類の樹皮を巻いて棒の先の割れ目にはさみ、松明にしました。…

麻ひも(焚き付け・着火材)

麻ひもは、ほぐせば火花で燃える万能のひも。園芸や梱包に使うジュートなど天然素材のよりひもで、ホームセンターで手軽に手に入ります。FloridaBoy Survivalは三〜四インチ(約8〜10cm)に切り、よりと逆向きにひねって両端を軽く引くと毛のようにばらけると実演し、もう少し長いほうが楽だと話しています。…