リンゴ
広葉樹
剪定枝が甘く香る果樹の薪
特徴
果樹園の剪定で出た枝や幹が、薪やスモークウッドとして流通します。直径が細く曲がった枝が多いので一本が短く、小さめの焚き火台でも持て余しません。材は緻密で、割ると果実を思わせる甘い香りがふわりと立ちます。
燃え方
穏やかにゆっくり燃え、炎が暴れないので調理中も扱いやすい木です。煙は白く柔らかく、甘みのある香りが食材に移ります。細い枝が中心なので単体では火持ちが物足りず、太い薪と組み合わせて使うのが前提になります。
向いている使い方
燻製と直火のグリルが本領です。熾火の上に親指ほどの一片を置き、蓋やダッチオーブンで煙を閉じ込めると香りがよく回ります。鶏肉や白身魚、チーズなど繊細な素材に合わせると、強い薪では出せない上品な香りに仕上がります。
解説動画: スモークウッド七種類を同時に燻して味を比べる/さばいどるチャンネル
概要: 同じメーカーから出ている七種類のスモークウッド、桜とりんごとくるみとヒッコリーとならとブレンドとウイスキーオークを、すべて同じ条件で同時に燻して味と香りと色の違いを確かめる企画である。りんごの香りがほかの樹種と並べたときにどんな位置づけになるのかがよく分かる内容で、最後に樹種ごとの印象をまとめて語っている。
段ボールで七つ同時に燻す: 燻製器は段ボールで自作している。段ボールの下側を外側に折り返し、切り込みを入れたところに半分に折った網を差し込むだけという簡単な作りで、これを七つ用意する。途中でどれが何の樹種か分からなくなるので、段ボールに名前を書いておく。食材は肉と魚と卵とチーズの基本四種で、火をつけて放置すると一時間ほどで煙がすべて消えた。
りんごの味わい: りんごはパッケージの説明どおり甘くてマイルド、というより優しい味だった。チーズに合わせたときにその甘さがはっきり出て、チーズケーキを思わせる方向に寄る。卵もふんわりとおいしく仕上がったという。食べ比べの順番では桜の次に口にしており、切り替わった瞬間に確かに違うと分かるほど印象が離れていた。全体を通して丸みがあって甘い側に位置づけられる樹種である。
ほかの樹種との違い: サクラは味が強めでやや酸味があり、市販の燻製チーズでなじんだいわゆる燻製の味になる。くるみは薄めで主張が少なく、ヒッコリーは香りが一番よいが味は強くない。ならはチーズが飛び抜けておいしく、ブレンドは一番色がつくうえに好みを選ばない。ウイスキーオークはりんごと同じ甘い系だが、より味が濃く感じられた。