カシ
広葉樹
カシは、国内最重量級の木で、熾火が長く持つ薪。
特徴
常緑のどんぐりの木の総称で、葉が厚く冬も緑を保ちます。農林省林業試験場の資料(日本木材総合情報センター掲載)では、シラカシは利用される日本産材で最も重硬なものの一つ(気乾比重0.74〜1.02)とされます。備長炭の原料になるウバメガシもこの仲間で、森林総合研究所がコナラ属14種35個体を調べた報告では、容積密度が0.78g/cm³以上と、ほかのカシより高い値でした。
燃え方
着火は非常に難しく、細い焚き付けと十分に育った炎がなければ火が乗りません。いったん燃えてしまえば太い一本で長い時間、赤い熾火が残り続けます。「Blazing Fire Channel」の薪ストーブの動画では、2年乾かした大きな樫の薪は2時間半で炎が上がらなくなり、7時間後も熾火が残っていました。同じ2年乾燥の楢と並べた回は、序盤は樫の炎が大きく、55分の時点で炎が残っていたのは楢でした。
向いている使い方
冬の長い夜の暖取りと、熾火でじっくり火を通す料理に向いています。針葉樹で炎を作り、ナラなど中くらいの薪をはさんでから最後に投入する順番を守れば失敗しません。消火にも時間がかかるので、撤収の一時間半前には足すのをやめてください。和歌山県は、原料にウバメガシやカシ類を使う紀州備長炭を、火付きは悪いが一度つくと安定した火力で長時間燃え続ける炭だと紹介しています。
出典
- 資料 日本木材総合情報センター(出典:農林省林業試験場『世界の有用木材300種』) シラカシ(木材の種類と特性)
- 公的機関 森林総合研究所(2013) ナラ・カシ類の木材は硬くて均質 ―ウバメガシは一番硬かった―
- 公的機関 和歌山県 特用林産物(紀州備長炭)
- 動画 Blazing Fire Channel デカ薪を焚いてみました!7時間後の様子は?!
- 動画 Blazing Fire Channel 【仁義なき薪トーナメント2021 vol.4】決勝 楢 vs 樫 最強薪決定戦
解説動画: 広葉樹の熾火で焚き火料理の火力を操る/モトトラベラー ヒラ【Hira】
概要: 焚き火で料理をするなら薪は広葉樹が主役になる。広葉樹は針葉樹に比べて燃焼時間が非常に長く、調理の間じゅう火を保てる。さらに炎が上がっている状態ではなく、熾火にしてから調理するのがよいと勧めている。
熾火という状態: 熾火とは薪の芯まで火が通り、激しい炎が上がっていない状態を指す。炎が立たず火力が弱そうに見えて、実際は非常に高温で安定している。煙や灰が派手に舞い上がらないので料理がしやすいという利点もある。
火力の列を作る: まず中くらいの薪4本を燃やして熾火にする。その半分を太い薪1本で挟み、残りの熾火をその外側に並べる。こうすると太い薪に火が移った部分が強火、その外が中火、少し離れた列が弱火になり、縦に火力の列ができる。複数の料理を同時に進められ、太い薪があるおかげで調理できる時間も長く保てる。
距離で調整する際の注意: 火力は熾火と調理器具の距離で決まり、遠ざければ弱火、近づければ強火になる。小型の焚き火台は受け皿と網の距離が近く熱が伝わりやすいので焦げやすい。火を強めたいときは火吹き棒で吹くが、息継ぎで吸い込むと高温の空気で口や気管を火傷する。
薪の足し方: 太い薪も燃えて熾火になり、薪を足す必要が出てきたら、炭バサミで熾火を割って小分けにし、二つのグループに分ける。片方を新しい太い薪1本で挟み、もう片方をその横に並べれば最初と同じ配置に戻り、火力も安定したまま調理を続けられる。