スギ
針葉樹
スギは、軽くて割りやすい、着火に使いやすい針葉樹の薪。
特徴
日本特産の針葉樹で、林野庁によるとスギとヒノキの林が人工林面積の約7割を占めます。樹皮は赤褐色で縦に長く裂けて細長くはがれます。林産試験場は、木理がまっすぐで加工しやすく、心材は淡紅色から黒褐色まで色の幅が大きく、辺材は淡黄白色から淡褐色としています。日本木材総合情報センターの表では、気乾比重は0.30〜0.45(平均0.38)で、日本産の針葉樹としてはやや軽軟です。
燃え方
岐阜県森林研究所の乾燥試験では、スギの伐採直後の含水率は64%以上で、20%以下まで下がるのに3か月以上かかりました(ヒノキは4か月以上)。米国ユタ州立大学の解説は、生木は水を飛ばすのに熱が使われて煙とクレオソートが増え、針葉樹は樹脂が多く火の粉やパチパチが出やすいとしています。テントや化繊のウェアからは距離を取り、軽い木は体積あたりの熱が少ないので、薪の減りは早めと見ておくと安心です。
向いている使い方
焚き付けから火を育てる序盤が本領で、炎が育ったら重い広葉樹に替えると薪を足す回数が減ります。林産試験場が加工しやすいとする木で、フェザースティックの練習にも向きそうです。スギ林の火災を調べた前田らの報告(2013)では、2004年2月の火災で燃えた落葉落枝は約10,000 kg/haと推定され、7年後に生き残った木は約55%でした。林野庁は枯れ草などのある場所ではたき火をしないよう呼びかけています。
出典
- 公的機関 森林総合研究所 九州支所 スギ
- 公的機関 北海道立総合研究機構 林産試験場 スギ
- 資料 一般財団法人 日本木材総合情報センター 木材の種類と特性:スギ
- 公的機関 林野庁 スギ・ヒノキ林に関するデータ
- 公的機関 岐阜県森林研究所(2013) 針葉樹薪の乾燥過程を調べました
- 公的機関・英語 Utah State University Extension(Michael Kuhns・Tom Schmidt) Wood Heating
- 論文 前田雄一・中村徳和・小山敢・矢部浩・土屋竜太(樹木医学研究)(2013) 2004年に発生したスギ林火災の実態と7年経過後の生残木の現状 —火災被害林の取り扱いのために—
- 公的機関 林野庁 山火事予防
解説動画: 薪ストーブの焚き付け作り スギを割り箸サイズにすることで使い勝手が良いですよ。/楽しく薪割りチャンネル
薪棚を崩してスギを出す: 動画は焚き付け用の小枝が残り少なくなってきたので、四月の初めに切ったスギを焚き付けにするという話から始まります。積んである山は下のほうがスギで、上には柿の木が載っています。そこでいったん全部を崩し、スギだけを残して積み直していきます。十月の終わりから焚き始めて最近はほぼ毎日燃やしていて、薪棚のほうもだいぶ空いてきたと話します。
水分計で乾き具合を見る: 崩しながら水分計を刺して乾き具合を確かめていきます。雨に当たり続けていたものは二十パーセントほどの値を指し、太めの部分は十パーセント台まで下がるなど、同じ山の中でもばらつきが大きいことが分かります。手に取ってからからと乾いた音がしていても、数値で見るとまだ乾きが甘いものがあると述べます。
丸ノコと斧で細くする: 取り出したスギはそのままでは長さがあるため、スライド丸ノコで半分に切ってから割っていきます。まず斧で一段階小さく割り、そのあとハチェットに持ち替えて、焚き付けの太さまで細くしていきます。量がまとまってあるので割れるだけ進め、割った断面を水分計で測ると十六から十七パーセントほどでした。
力まないのが割るコツ: 動画の最後で割り方のコツとして挙げるのは、力を込めないことです。上から軽く当てていけば、あとは繊維に沿って素直に割れてくれると説明します。ここからさらに細くしていけば乾燥も進むので、焚き付けとしては十分に使えるという見立てです。ほぼ毎日焚くストーブに最初の火を入れる一本が、こうして手元にそろいます。