コナラ
広葉樹
コナラは、薪の王様と呼ばれる定番の木。
特徴
どんぐりのなる木の代表格で、樹皮は灰黒褐色で浅く縦に裂け、老木では深く裂けます。森林総合研究所九州支所の解説では、材は建築材や器具材、しいたけの原木にも使われるとあります。林野庁によると、コナラなどが大部分の里山林は20〜30年ほどの間隔で伐採と萌芽更新を繰り返してきました。薪炭の需要は昭和30年代の燃料革命で激減し、近年は薪ストーブの普及などで増えつつあります。
燃え方
火付きは針葉樹よりずっと悪い代わりに、一度燃えれば長く安定した炎が続きます。インド北東部マニプール州の研究では、亜熱帯林の5種の木の材を比べ、コナラと同じ学名(Quercus serrata)の木は密度0.78g/cm³で最も高い一方、発熱量は17.49kJ/gで最低、灰は4.73%で最多で、薪の価値指数(FVI)も5種で最低でした。現地の1か所の調査で、日本の里山の木と同じとは限りません。
向いている使い方
夜のあいだ焚き続けるメインの薪の定番です。スギなどで炎を育ててから、太いまま二本ずつ足していくと火が途切れません。コナラはナラ枯れの被害樹種で、群馬県によると葉が変色して枯れるのは7月下旬から8月中旬ごろです。北海道は、カシノナガキクイムシが付いた木材の移動が被害拡大につながる可能性があるとして、被害木の伐採・移動は指針に従うよう求めています。
出典
- 公的機関 森林総合研究所 九州支所 コナラ
- 公的機関 林野庁 里山林の薪炭や、きのこ生産資材としての利用
- 論文・英語 Meetei SB, Singh EJ, Das AK(Journal of Environmental Biology)(2015) Fuel wood properties of some oak tree species of Manipur, India
- 公的機関 群馬県 林政課 ナラ枯れ被害について
- 公的機関 北海道 水産林務部林務局森林整備課 ナラ枯れ被害について
解説動画: 山で丸太を拾って薪を作る手順/TERA GINGER OUTDOOR
概要: 薪を買うと一晩で1000〜2000円ほどかかるため、現地で丸太を調達して自分で薪を作る方法を紹介する。丸太は1本拾うだけで1日は余裕で持つ量の薪になる。小枝を集める手もあるが、いろいろな太さのものを探す手間がかかるうえ燃え尽きるのも早い。
使える丸太の見分け方: 生えている木を切るのは論外で、生木は水分が多く燃えにくいうえ煙が大量に出る。落ちている倒木でも、腐ってボソボソになった木は水を吸っていて火つきが悪く、虫の住処になっていることもあるので避ける。地面から浮いた状態で倒れている木は乾燥が進んでいてベスト。ある程度濡れていても中身は乾いていることが多いので雨の日でも心配はない。
切り出しと運搬: 丸太は運びやすい大きさにのこぎりで切る。上から刃を入れると丸太の重みでのこぎりが噛むので、下から切ると切り口が開いて簡単に切れる。手斧で割るつもりなら短めに切った方が割りやすい。一気に全部切ろうとせず、当面使う分だけ切り出すのがよい。
薪割りの安全: 薪割りでは必ず軍手を着け、周りに人がいないこと、刃の向く先に手足や薪割り台以外のものがないことを確かめる。斧は触れただけで大怪我をする破壊力がある。一発で割ろうとするとかえって危ないので、刃を食い込ませてから真下に叩きつける。太い丸太は端から割るとよく、節があると手斧では割れないので無理をしない。
薪は太さを3種類そろえる: 細い薪はナイフのバトニングで作る。刃を食い込ませたら薪で叩くだけでよく、叩く力は刃には掛かっていないのでナイフは傷まない。割り箸ほどの細さ、その倍、さらにその倍の3種類をそろえておくと火を育てやすい。組むときは焚きつけを中心に据えて細い薪から外へ太い薪を並べ、薪の間に隙間を作って空気の通り道を確保する。
解説動画(海外・英語): Splitting fresh cut white oak and white oak that has dried./Wayne Johnson
「乾かしてから割ると楽」を確かめる2本の丸太: 撮影者が用意したのはホワイトオークの丸太2つ。片方は以前に伐って、割らないまま乾かしてきたもの。もう片方はその日に伐ったばかりの生木。「薪は乾かしてから割ったほうが割りやすい」と何度も言われてきたが、それは違う、と実際に割って見せるのがこの動画の主題になっている。ホワイトオークは日本のコナラと同じナラ・カシの仲間で、一般に目が詰まっていて重く、薪としては上等だが割るのに骨が折れる部類。その堅い木で、乾いたものと生のものではどちらが割りやすいのかを比べている。
「オークは軽い斧では割れない」という指摘への反論: この動画にはもう一つ背景がある。YouTubeのある視聴者から「ホワイトオークはフィスカースのX系では割れない、マウル(薪割り専用の頭の重い斧)でなければ無理だ」と言われたのだという。相手は技術者で、必要な力を計算式で示してきた。撮影者はその計算そのものは合っていると認めたうえで、「その数字を実際に出せるだけの技量が振る側にあるかどうかは別の話だ」と返し、この動画で実際に割ってみせて反論している。斧が重いかどうかより、振れるかどうかが先だ、という立場になる。
太い生木のほうがあっさり割れた: 実際に割ったのは、その日に伐った直径20インチ(約50cm)、彼の見立てでは22インチ(約56cm)あったかもしれないという生の丸太。まっすぐで素直な木で、これは問題なく割れた。対して乾いていた方は16インチ(約40cm)と一回り細いのに、半分に割るところが明らかに重かった。ただし一度半割りにしてしまえば、その後はそれほど大変ではないという。太さでは不利なはずの生木のほうが楽に割れたわけで、彼の結論は自分で伐って割るぶんには生のうちに割ってしまうほうがいい、というものだった。
日本のコナラに読み替えるときに気をつけること: 動画のホワイトオークはアメリカのオーク(Quercus alba)で、日本のコナラとは別の樹種。ナラ・カシの仲間で堅く重いという性格は近いが、太さや節の入り方、乾き具合で割れやすさは変わるので、この結果をそのまま当てはめるのは避けたい。ただ生のうちに玉切りして割り、それから積んで乾かすという順番自体は日本の薪づくりでも定説どおりで、割った面から水が抜けるぶん乾きも早くなる。乾かしてから割ろうとして手こずっているなら、まず順番を疑ってみる価値がある、というのがこの動画から持ち帰れるところ。