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成分の並び方と効能の書き方を読む、はじめの一歩。

容器の表示は、法律で書くことが決まっている部分と、売り手が選んで書く言葉の2つに分かれます。先に読むのは、決まっている側です。医薬品医療機器等法は、直接の容器または包装に、製造販売業者の名称と住所、製品名、製造番号、配合されているすべての成分の名称を書くよう求めています(東京都健康安全研究センター)。表示は邦文で読みやすく正確に書くこと、虚偽や誤解を招く事項と承認されていない効能効果を書かないことも定められています。読む順番は、全成分表示・効能の言葉・数値の表示の3つです。

全成分表示は、分量の多い順に並べる決まりです。ただし1%以下の成分と着色剤は、互いに順不同に書いて差し支えないとされています(東京都健康安全研究センター)。前のほうに書かれた成分ほど量が多いと読め、後半に並ぶ成分どうしの上下は比べられません。1%の境目がどこかは表示から分からないため、全成分表示の順番のルールの読み方にしたがって、上位の数件だけを手がかりにします。着色剤は分量に関わらず順不同にでき、位置から量を推し量れません。例外の全体は1%ルールの例外にまとめています。混ぜ合わせた原料は成分ごとに分けて書き、抽出物は抽出された物質と溶媒を分けて書きます。香りのために入れた香料は、「香料」と一つにまとめて書けます。

表示に無いことは、入っていないことと同じではありません。製品の中の量が効果を発揮する量より少ない成分は、記載しなくてよいとされています(キャリーオーバー成分)。容器が小さいときは、外箱や固着したタッグ、添付文書での表示も認められます。本体に成分の並びが見あたらないときは、外箱か中の紙を探します。成分名は邦文で、業界団体の成分表示名称リストに沿って書かれます。INCI名には、海外の製品に並ぶ英語の名前との関係をまとめています。

効能の言葉には、書ける範囲があります。厚生労働省の通知「化粧品の効能の範囲の改正について」(平成23年7月21日・薬食発0721第1号)は、化粧品がうたえる効能を56項目で定めています。「肌を整える」「肌荒れを防ぐ」「皮膚にうるおいを与える」「皮膚の乾燥を防ぐ」「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」は範囲の中にあり、症状をなくす・若返るといった言い方は入っていません。小ジワについては「乾燥による小ジワを目立たなくする」までが範囲で、2011年の改正で加わった項目です。「補い保つ」を「補う」または「保つ」と書いてよいこと、「皮膚」と「肌」を使い分けてよいことも、同じ通知の注に示されています。各社の容器に似た言い回しが並ぶのは、56項目の中から言葉を選んでいるためです。医薬品のような効果の表現や「比類なき安全性」のような最大級の表現は認められていません(日本化粧品工業会。業界団体の資料で、利害があります)。

数値の表示は、測った条件とセットで読みます。SPFはUVB、PAはUVAへの効果を示す指標で、数値が50を超えると差がほとんどなくなるため「SPF50+」とまとめて表示されます(日本皮膚科学会)。塗る量まで含めた読み方は、SPF・PAにあります。「無添加」「低刺激性」「ノンコメドジェニック」は、56項目の効能にも、容器に書くことが義務づけられた事項にも含まれません。指す範囲は無添加にまとめています。確かめた内容と限界は、低刺激性とノンコメドジェニックにあります。

使用期限の記載は、すべての化粧品に求められているわけではありません。アスコルビン酸やそのエステル・塩類、酵素を含む化粧品と、適切な保存条件で3年以内に性状や品質が変わるおそれのある化粧品に、期限の表示が要ります(東京都健康安全研究センター)。期限の記載が無い製品は、2つの条件に当たらないものとして売られています。やりがちな失敗は3つあります。宣伝の言葉だけで選ぶこと、表示に無い成分を入っていないと読むこと、後半に並ぶ成分の上下を比べることです。3つを避けるだけで、同じ容器から読み取れる中身が変わります。

出典

  1. 公的機関 東京都健康安全研究センター 化粧品の表示
  2. 公的機関 厚生労働省医薬食品局長(2011) 化粧品の効能の範囲の改正について(薬食発0721第1号)
  3. 公的機関 大阪府 化粧品の効能効果の範囲(別表第1)
  4. 資料 日本化粧品工業会 化粧品と医薬品医療機器等法
  5. 公的機関 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A Q12 サンスクリーン剤の性能表示