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紫外線が肌に与える影響と、毎日の防ぎ方。

紫外線を防ぐことは、洗う・うるおすに続く3つ目の基本で、変化がすぐに見えないぶん後回しにしやすい手入れです。日本皮膚科学会は、加齢による老化と光老化を区別し、紫外線を浴び続けると皮膚が厚くゴワゴワになり色も濃くなる変化が、加齢だけでは起こらないしわやたるみとして積み重なっていくと説明しています。オーストラリアで55歳未満の903人を、日焼け止めを毎日使う群と使いたいときだけ使う群に分けた試験では、約4.5年後の光老化の進みが毎日使った群で24%少なく、相対オッズは0.76でした(Hughesら、2013年)。1日では分かりにくい差が、続けるほど積み重なる手入れだと分かります。

光老化
光老化図: オトモシリーズ

塗る前に、まず覆うという順番が基本です。日本皮膚科学会は、日傘や全周に広いつばのある帽子、長袖・長ズボンで紫外線をできるだけ減らすことを第一に置き、日焼け止めはそのあとの「最後の砦」と位置づけています。衣類や日陰の使い方は、この順番を日々の手入れに落とし込む手段です。小児期から不要な紫外線を浴びない生活や、赤道に近い場所・雪山のように紫外線が強い環境ではより強い対策を、という考え方も示されています。

覆いきれない部分には、紫外線にはUVAとUVBがあり、UVA・UVBにあるとおり、日焼け止めの表示もこの2つに分けて数値化されています。日本皮膚科学会によると、SPFはUVBへの防御効果を示し、翌日に赤みが出るまでの時間を規定量の塗布で何倍にできるかという検定で決まります。たとえば20分で赤くなる人が、SPF30の製品を規定量塗ると理論上は約10時間(20分×30)まで赤みが出にくくなる計算です。数値が50を超えると性能の差がほとんどなくなるため「SPF50+」という表示になります。PAはUVAへの防止効果を示す指標です。日常生活が中心の日とレジャーで長時間浴びる日では、選ぶ数値を変える考え方が基本になります。

UVA・UVB
UVA・UVB写真: Lashb007 / CC BY-SA 4.0

数値を選んだあとは、決めるべきことが塗る量です。日本皮膚科学会は、SPF・PAの数値はいずれも1cm²あたり2mg(液体は2µl)を塗った条件で測定されたものだと説明し、顔なら真珠の玉2個分くらいを全体に伸ばす量を目安に挙げています。実際に塗られている量の調査では規定量の3分の2程度(約1.3mg/cm²)にとどまりやすく、効果はおよそ半分に落ちるとされています。SPF100+とSPF50+を顔の左右に塗り分けた試験では、SPF100+側のほうが日焼けした人の割合が低い結果でしたが(著者に製造元の所属があります)、数値を上げることより、まず規定量をきちんと塗ることが土台になります。

塗ったあとは、屋外で過ごす時間が長い日は2〜3時間おきに上から重ねて塗り直します。日本皮膚科学会も、汗や接触で落ちる分を考えると3時間に1回の塗り替えのほうが確実だとし、うなじ・耳たぶ・胸・首・手の甲は塗り忘れやすい部位として挙げています。

出典

  1. 公的機関 日本皮膚科学会 Q10 光線防御のポイント
  2. 公的機関 日本皮膚科学会 Q12 サンスクリーン剤の性能表示
  3. 公的機関 日本皮膚科学会 Q13 サンスクリーン剤の使い方
  4. 論文・英語 Williams JD, Maitra P, Atillasoy E, Wu J, Farberg AS, Rigel DS(2018) SPF 100+ sunscreen is more protective against sunburn than SPF 50+ in actual use
  5. 論文・英語 Hughes MC, Williams GM, Baker P, Green AC(2013) Sunscreen and prevention of skin aging: a randomized trial