ライイングトライセプスエクステンション

スカルクラッシャーとも呼ぶ、長頭を伸ばす種目

効く筋肉

上腕三頭筋 の長頭が主役で、内側頭と外側頭も同時に働きます。肘を頭の近くで曲げるため、プレスダウンでは伸びにくい長頭までしっかり伸ばせるのが利点です。

やり方

ベンチに仰向けになり、EZバーを肩幅より狭く握って腕を垂直に立てます。上腕の角度を変えず肘だけを曲げ、額の上か頭の後ろへ下ろします。下ろしに3秒、10〜12回を3セット。

フォームの注意

肘を左右に開いたまま下ろすと肘関節に負担が集中し、痛みが出やすい種目です。肘は肩幅に保ち、重量よりも下ろす速度を優先します。肘の痛みが残るときは続けず医療者に相談してください。

バリエーション・代替

ダンベル2つで行うと手首と肘の角度を自由に選べます。肘が気になる人はケーブルに替えるか、トライセプスプレスダウン と オーバーヘッドエクステンション に分けると 負担を散らせます。

解説動画: スカルクラッシャーで間違えやすい5つの点/Hidetada Yamagishi - Big Hide Channel OFFICIAL

バーベルの握り方: 上腕三頭筋を大きくするうえで最も大事な種目として紹介している。まず握り方で、バーベルを指の付け根側ではなく、手首に近いところへ載せる。親指はかけてもかけなくてもよく、サムレスでも構わない。指側に載せてしまうのがひとつ目の失敗にあたる。

肘の位置: ベンチプレスのフィニッシュと同じ真上の位置からスタートすると、重さが腕に乗っているだけで三頭筋の緊張が抜けてしまう。完全な間違いではないものの、肘を少し顔の方へ近づけた位置で固定すると、バーベルを支えている間ずっと三頭筋が緊張した状態を保てる。

肘は無理に閉じない: 肘を無理やり閉じて動作すると三頭筋を隔離できるような感じはするが、肘関節への負担が非常に大きくなる。開き方は自然な状態でよく、自分が最も力を出せると感じる角度で動作する。無理に締め込む必要はない。

肘の位置を動かさない: バーベルを下ろすときに肘が頭の方へスライドし、上げるときに戻ってくるフォームも失敗のひとつ。これではプルオーバーに近い動きになってしまい、三頭筋から刺激が逃げる。肘の位置を固定して、前腕だけが動く状態を保つのが正しい。肘と肩の関節が一緒に動くと別種目になる。

可動域を中途半端にしない: 5つ目は三頭筋がしっかり伸び縮みしていないこと。パーシャルな動きでは効果が下がるので、額にバーベルがかすれるくらいの位置まで下ろして三頭筋をストレッチさせる。もちろん本当に当てて頭を割る必要はないが、その直前までは下ろす。頭にぶつかると割れるという意味からスカルクラッシャーと呼ばれている。

解説動画(海外・英語): How To Build Huge Triceps with Optimal Training Technique/Jeff Nippard

腕の太さを決めるのは長頭。肩を90度曲げた姿勢が要: Jeff Nippard の種目別フォーム解説シリーズから、スカルクラッシャー(ライイングトライセプスエクステンション)の回。上腕三頭筋は外側頭・内側頭・長頭の3つに分かれ、腕の内側を走る長頭が、後ろから見た腕の厚みやバイセップスポーズでの見え方をいちばん左右するという。3つとも肘をまたぐので主な働きは肘を伸ばすことだが、長頭だけは肩関節もまたいでいて肩の伸展も手伝う。ダンベルプルオーバーで背中と一緒に三頭の裏側にパンプが来るのはこのためだと説明する。Brad Schoenfeld 博士は、肩を屈曲させて腕を頭側に上げるほど長頭が引き伸ばされるので、オーバーヘッド系の種目は長頭を伸ばされた位置で鍛えられると論じてきた。さらに別の研究では肩の屈曲90度あたりが長頭の筋活動の最適点になる可能性が示されており、この種目の姿勢はちょうど90度付近にあたる。

腕の位置を変えて3方向から。重さとバーの選び方: 三頭のトレーニング全体としては、腕を頭上に上げる種目(オーバーヘッドケーブルエクステンションやこの種目)、腕を体の横に下ろす種目(トライセプスプレスダウン)、腕を体の後ろへ引く種目(キックバック)の3タイプを組み合わせるのが Nippard の推奨。角度を変えることで3頭すべてに当たり、長頭をいろいろな筋の長さで鍛えられる。重量は肘まわりの軟部組織に負担をかけすぎないよう中程度にとどめ、8〜20レップに収まる範囲を目安にする。ストレートバーでもできるが彼が好むのはEZバーで、半回内のグリップになるぶん手首への負担が小さいから。バーはベンチの上端側に置いて肩幅で握り、広背筋を使って頭上へ引き上げる。ひざの上から起こしてもよいが、ベンチの上から引き上げられないならその重量は重すぎるサインだという。

床でやる版の利点と、寝る位置・肩甲骨の作り方: 床で行うフロアスカルクラッシャーも良い選択肢として挙げている。開始位置が高くなるぶん少し重く扱えるうえ、失敗してもバーをベンチの向こうへ落とす心配がない。さらに毎レップ床に触れるので可動域がそこで固定され、疲れてくるほど動きが浅くなっていく「じわじわしたごまかし」を防いで、同じ可動域のまま重量を伸ばしていける。床に寝たくない人はトレーニングベンチで構わないが、その場合はベンチプレスと同じく肩甲骨を寄せて下げ、上半身を締めてから1レップ目に入る。体を頭側にずらして頭がベンチの上端から少し出る位置に寝ておくと、下ろすときに頭をかわしやすい。動き出しはバーを顔の真上より少し後方へ送るところから始めると、最初から長頭に張りが入り、可動域を通してテンションが切れにくくなる。

中間域で張力を切らさない。下ろすときは弧を描く: 2017年の研究では、可動域の中間で三頭に張力をかけ続けたグループが、トップで張力の抜けるフルレンジのグループに比べておよそ2倍の三頭の肥大を示した。グループ間で相対的な負荷が違った可能性はあると Nippard 自身も断ったうえで、Greg Nuckols の研究レビュー MASS でも「2倍近い差は限界を差し引いても目を引く」と指摘されていると紹介する。そこで各レップはバーをやや後方にした位置から始め、トップでも肘をわずかに曲げたまま残す。ただし可動域を削りすぎないこと。下ろすときは額へまっすぐ落とすのではなく弧を描いて頭の後ろへ送ると、肘関節のトルクが増えて三頭への負荷が上がる。深さは可動域が許す範囲まで、最低でも前腕と上腕二頭筋が触れるところまでは下ろす。

肩を動かさない。よくある失敗とダンベル版の使い分け: 切り返しは三頭を絞り、手のひらの中央でバーを押しながらやや前上方へ戻す。このとき肩は固定したままにして、動きを純粋な肘の伸展だけにする。肩が動くと広背筋や大胸筋が参加して、狙っている三頭への負荷が減ってしまう。正面から見て肘は締めた位置で固定し、極端に外へ開いたり内へ絞ったりしない(骨格によって多少の開きが必要な人はいる)。彼がよく見る失敗は、重すぎることを別にすれば額へ真下に下ろす下ろし方で、テンションが逃げるうえに肘の痛みを訴える人が多くなる。落としたり下げすぎたりすれば名前のとおり頭を直撃する危険もある。ダンベル版は左右を別々に鍛えられるので左右差の予防になり、肩の内旋・外旋を楽な角度に調整しやすい。一方バーベル版は毎週の細かい重量の刻みとフォームの再現性で有利。仕上げはネガティブをコントロールし、狙う筋肉を意識し続けることに尽きるとまとめている。